店舗デザインにこだわる理由
はじめまして。
僕は店舗デザインのプロです。
お店を開きたい人の店舗設計やデザインに関わり続けて15年ほど経ちます。
なぜ、僕がお店をつくる上で店舗デザインにこだわっているのか、少しお話しさせてください。
価値のある商品・サービス
僕が9歳の頃、木材の香りが好きで父の職場によく出入りしていました。
父は1本の木材をけずったり、穴をあける加工をおこない、一つの家をつくりあげる大工でした。
ある日、たまたま家の近くで2階建ての住宅を建てる仕事を父が受けており、その建築中の現場に出入りしていました。
今では工事中の現場は危ないとわかってるので出入りしませんが、当時は木材の香りが好きでよく通ってました。
父のやり方は、手作業で木材の表面を削って調整し、施工する場所に形を微調整しながら整えて工事をしていました。とても手間のかかる職人技です。
現在の住宅を作る工法は、パネル工法になっており、当時の父のような手間暇かかる構造にはなっていません。
高度な技術で買い手の要望に合わせた家を作るため、10cm角の柱と他の木材を繋ぐ繊細な技術。ですが、当時10歳だった僕は、結局は見えなくなる部分なのに…と思ってました。
しかし、それと同時に、見えなくなる部分にこれだけ手間をかけて作り上げる「ものづくり」の魅力に刺激を受けていました。
お客さんには見えない部分でも手を抜かず、期待に応える姿はとてもかっこよかったのです。父のお客さんは、家を建てるだけの大きなお金を投資していますが、その多くが父に対して感謝やお礼を伝えていました。
まさに、支払った価格以上の価値を感じていたのだと思います。
店舗デザインの話しに戻しますね。
あなたが手間ひまかけて作った商品やサービスには価格以上の価値がありますか?
僕は目に見えない部分にこそ、あなたが理想とするお客さんにとって本質的な価値が詰まっていると考えています。
お店に来て欲しい人は誰なのか?
お店を開こうとしている人の多くが目の前で光輝くものに注意を払い、時間をかけて、お金をかけています。
例えば、色味や素材といった目で見える表面的なデザインです。
しかし、お客さんの立場になって考えてみてください。お店の人や商品・サービスは好きなのにお店の雰囲気が好きになれない…
例えば、
- お店の個性が強すぎ行きづらい
- 落ち着いたBGMを流してても落ち着かない店内
- 価格が高い割にはチープな内装
- 特別な時間を過ごすはずなのにどこにでもあるお店
- シンプルな印象だけど安っぽく見える
などなど…お客さんの立場になって考えると、お店に行きたくない理由や友達に勧めない理由が沢山あります。
例えば、友人の話を聞いている時、あなたならどうしますか?
友達の心情を理解するために、
- いつ?
- どこで?
- 誰が?
- 何があったのか?
- なぜそんなことがあったの?
- どうやって?
と、友達にその瞬間の状況を詳しく聞いて、友達がどんな心境なのか理解しようとしませんか?
お店を作る時、理想とするお客さんについて理解を深めると同時に、背景についても知る事できれば、お客さんがお店に来る理由についても仮説を作ることができるはずです。
僕は、あなたのお客さんの本質的ニーズ(目的)を満たせる店舗デザインの構築についてこう考えます。
なぜ感謝されるのか?
接客・商品やサービス・空間全てにおいて、支払うお金以上の価値を感じたことによるお店への感謝。お店側は、お金をもらって感謝もされる状況。
共感できていないお店は、喉がかわいているのに水ではなく牛乳を売るようなもの。喧嘩になってしまいます。
→ 顧客視点のマインド
価格以上の価値 とは?
日本にはお客様第一という考え方がありますよね。価格以上というと、想像するのは過剰までのサービスではないでしょうか。しかし、それは違います。
お客さんの事を理解し背景についても想像しているからこそ、お客さんはお金と引き換えにしてでもあなたの商品やサービスが欲しいと思う通貨としての価値が生まれます。
→企画設計・ブランド戦略
顧客視点のデザイン
具体的なペルソナを軸に、実用的・感情的ベネフィットを高める体験を創造する。アイディアを出す。メッセージを届ける。
そのために室内空間はどうあるべきなのか?
→店舗デザイン
あなたが手間ひまかけて作った商品やサービスの価格が他のお店より高かったとしても、多少立地が悪くても、「ありがとう」と言ってくれるお客さんに価格以上の価値を提供できる店舗デザインを構築するお手伝いをしています。
詳しく知りたいと思った方は、僕のブログやメルマガを読んでください。ブログは毎週土日に更新しています。
メルマガは無料で登録できますし、お店を開きたい人が準備を進める前に知っておくべきことを学べます。
どんなお店だと認識されたいですか?
ひとつ質問させてください。
あなたの商品やサービスが、あなたが理想とするお客さんの人生において、増やすもの、あるいは減らすものはなんでしょうか?
実は、この質問は僕自身にも問い続けた一つの課題でもありました。
設計やデザインを生み出すことに昼夜問わず働いていた頃、休みもとらずにデザインを考えることに全ての力を消耗していました。
時間でいうと、1人の方の設計プランを考えるのに1日20時間程度、1週間で120時間程度です。これだけの時間をかけて考えても、次の日、よりいいデザインをひらめくと図面や計画を考え直します。
この繰り返しの作業を、時間の許す限り続けています。
しかし、僕はあることに気がつきました。
その日は40°近い気温でとても暑い日でした。一日中クーラーをつけていて体がだるくなっていたのを覚えています。
そんな暑い日に気づいたこと…
それは、これだけの時間や労力を費やして考えている事の根源となる情報や計画は、すべて頂き物であること。つまり、お店を開く人からの情報でデザインしているという事です。
当時、お店を利用するお客さんのこと・提供する商品やサービスのこと・戦略のことについては、クライアントから計画を教えてもらう前提でした。
そのため、お店を開く方が一人で構想した内容をもとに店舗デザインを組み立てていたのです。
僕はこのことに疑問や違和感を感じ始めました。
これは、2017年ごろの話です。
業界的には、この方法が当たり前なのかもしれない。
でも、僕はこう考えました。
「お店を開く方が一人で考えるより、僕も一緒に悩んで考えた方が、一人では見えなかった視点からお店をつくれるのでは?」
理由はこうです。
- ターゲットが違えば考えるべき仮説も変わる
- 訴求が具体化できれば最適なデザインに調整できる
- 予算が限られていれば予算をかけるべきポイントも変わる
- 来て欲しいお客さんが分かれば迎える準備ができる
- コンセプトが明瞭なら発信するメッセージがクリアになる
そして、この違和感を無くすべく、戦略や企画設計からサポートできる様に、勉強と実践を繰り返してきました。
夜9時からのセミナーや、休日の勉強会に参加しました。参加したものは有料のものが多く、「参加したからには吸収して帰る!」と気合を入れて取り組んでいました。
この時参加した勉強会やセミナーが、ブランド戦略やマーケティングというものでした。
僕が初めてブランド戦略やマーケティングという言葉に出会った時のお話です。
店舗デザインとは何か?
店舗デザインのプロジェクトが進むたび、ぼくは勝手に仮説をたてて想像する毎日を始めました。(あくまでもお客さんには提供せず、精度を高めるためにブランド戦略や企画設計を自分で作って評価していました。)
その結果、自分の仮説と頭の中で会話するようになりました。
- 理想のお客さんが遠くからでもお店に行きたくなるには?
- 理想のお客さんに行ってみたいと思われるには?
- 理想のお客さんがまたお店に行きたくなるには?
- 理想のお客さんが好まれるには?
戦略や企画設計が担う内容と、店舗デザインの関係性も同時に想像できるように頭の中のスペースが徐々に拡張していくことに気がつきました。
時にはクラッシュした頭を癒すため、甘いものたくさん食べて太ったり…
そんな修行のような期間を続けること4年。
独自性を生み出す根源である「価値」について掘り起こし、その価値を届けるべき「理想のお客さん」を可視化する工程を店舗デザインに組み込むことができました。
店舗デザインとは、お店を開きたい人の商品やサービスに眠る価値を具体化して、届けるべき人にその価値を届ける仕組みの一部であること。そして、その仕組みをうまく機能するように手助けするもの。
という答えに辿り着きました。
だからこそ、お店で商品やサービスを提供する業種であれば店舗デザインは重要で、必要な要素だと考えています。
その為、僕は店舗デザインにこだわり続けています。
最後に…僕も皆さんと同じでした。
僕自身、独立当初は自分で顧客を探して、集めて、いいお店を作ろうという熱い思いをもってLovationをつくりました。
ですが、自分で顧客を探して、集めて、いいお店を作ろうなんてそんな簡単な話ではありませんでした…
僕は何度も何度も失敗しました。
お客さんを集客すべく、集客のコンサルタントへ何回も依頼しましたし、ブログ記事も書きました。もちろん、広告代理店の指示のもと広告も色々出していました。
ブログ記事は、狙ったキーワードで上位表示されるように何度も徹夜しましたし、そのたぐいの本や勉強会にも参加しつづけました。
やっとの思いでローカルキーワードを上位に表示させる事ができた時は、味わったことの無い達成感を感じていました。
ですが、このとき目指していたゴールは「上位表示すること」になっていました。しかし、この事に気づけたのはもっと先のことでした。
この達成感は数日でぼろぼろになってしまいました。まるで、ズボンのポッケにティッシュを入れたまま洗濯しちゃっと時のように…ぼろぼろの山田になりました。
僕は結婚していましたが、家族の時間なんてものはないに等しい状況でした。それどころか、自分の体を休める時間も作っていなかったので、スポーツで痛めた首や腰の痛みを抑える為にブロック注射などを行いながら働いてました。
SEO対策でローカルキーワードが少し上位に表示されれば、自分がデザインしたい様な顧客からの問合せがもらえる!
そう思っていましたが、連絡があったのはターゲット層ではない人ばかり…
つまり、理想のお客さんを集めることができていなかったのです。それどころか、理想のお客さんは誰なのかもわかっていませんでした。
「記事を書いて集客する!」と、気合をいれて2年続けても何も変わらない状況だったのです。
むしろ、自分自身の言葉の使い方や選定したキーワードが悪かったからか、理想のお客さんを集める事ができませんでした。僕では価値を提供することができない様な顧客が増えたのです。
ポジティブな性格だったので、つづければきっと…!そう思ってました。
しかし、結果は変わらず。
プロにSEO記事の作成を依頼しても同じ。むしろ、自分で記事を書き続けた方が好調でした。この状況は続き、約2年半で受注した件数は2件だけ…衝撃の結果でした…
何かしなければ…でも何をすればいいのか具体的にわからない?
僕は多くのことを学びました。
これまでの設計のスキルやデザインの経験値だけでは無理。理想のお客さんを集め、価値を感じてもらうことはできないことを体感しました。
間違った認識、間違ったテーゲット層の設定、間違った独自性からの仮説、間違った集客方法、間違った時間の使い方、間違った自分の価値設定。
独立して多くの失敗という壁にぶつかって体感してきました。そして、自分自身の時間を安売りして、間違った努力を続けても人生や仕事でなんのプラスにもならないという事を体験しました。
- 成果も出ない
- 無理を続けて体調を壊す
- 家族と過ごす時間もない
- お客さん一人にかけられる時間が少ない
- 考える余力がない
- 新しい情報を吸収する余力がない
このように、僕は家族との時間がなくなるだけでなく、お客さんの為に考える時間も削っていることに気がつきます。
このままでは、僕のお客さんや僕自身の為にならない!
そう思いました。
この時、僕はブランド戦略やマーケティングというものを学び直しました。そして、買いたいと思ってしまう商品やサービスを提供している人や会社から多くのことを学び続けました。
その学びの中で出会った人がリッチシェフレンでした。
「マーケティングとは自分の価値を正しく伝えること」
この言葉を聞いて、自分がこれまでやってきた事との間違いに気がついたのです。
いろんな手段や方法を使ってごちゃごちゃ自作でやる前に、僕がお客さんに提供できる価値について考え直すことにしました。
簡単にいうと、「100人集客しても、そのうち100人が理想のお客さんでなければ集客できても意味がない」という事です。
ターゲットではない100人を集客するよりも、1人の理想のお客さんを集客することに力を入れたのです。
その方法はとてもシンプルです。
理想のお客さんを可視化して、提供できる価値を具体化したのです。そして、その価値が理想のお客さんの需要とマッチするように仮説と検証を重ねました。
その過程で、自分が人生や仕事で大事にしていることをまとめるステップを行いました。
一部を紹介しますね。
(当時は全然作れず、意外に難しいのだと感じました。)
- 自分自身の時間や労力を企画設計やデザイン構築に集中する
- 予算の高い安いではなく相手のお金を大切に考える
- ブランド戦略やマーケティングに関する情報を集め続けるための時間を作る
- 僕は何者で、何を売っていて、どんな価値を提供できているのか定期点検する
- 顧客の不安や心配事について、いつでも相談できる時間や労力を確保する
- 僕の時間だけでなく、家族との時間、顧客の時間を大切にする
- 自分自身の体調を管理して維持するための時間を作る
- 犬3匹と一緒に散歩するリフレッシュの時間をつくる
これは、これから先変わることも増えることもあると思います。ですが、今の時点で自分が何を大切していて、何をやめるべきなのか明確になった事を覚えています。
僕ができることは何か?
この行動指針をもとに自分ではやらない業務と、自分でやるべき業務の線引きをしています。
戦略・デザインプランが決まったあと、僕がすべての図面を書いたりイメージパースを書くことを辞めました。今では、信頼できるスタッフや外注先が僕の考えを汲み取って作成してくれます。だからこそ、図面やパースのクオリティは高くなり、制作スピードも早くなりました。
もちろん細かい指示やデザインは共有します。
ですが、なんでも自分でやる様なことしません。
なんでも自分でやらないことで、
- お店を開く人と共にビジョンを考える
- 理想のお客さんの事を考える
- 共に考えた事から価値を見出す
- 価値をお店のデザインに反映する
- うまく機能するブランドデザインの検証
これらの作業に時間や労力を集中させることができました。
その結果、お店を開く人と密なコミュニケーションを繰り返し、アイディアの提案や、戦略の設計もデザインと一緒に作り込むことができています。
だからこそ、
理想とするお客さんから訪れたいと思われる店舗デザインの構築ができています。
そして、
ブランド構築をすすめると、磁石のように引き寄せたい人を引き寄せると同時に、遠ざけたいひとを遠ざける力があることを実感しています。
僕は、全ての人に売ることをやめて、今この記事をここまで読んでくれたあなたのような人に向けて店舗デザインを提供しています。
- 価格にあったお店を作りたい
- 遠くからでも訪れたいと思われるお店を作りたい
- 価値のあるお店だと思われたい
- 何度も行きたいと思われるお店を作りたい
- おしゃれだと思われるお店を作りたい
そんな方のお店づくりを戦略づくりからお手伝いしています。
とても長い文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
略歴
- 長野県長野市出身
- 小学校から高校まで野球一筋
- 体を動かすことが好き
- なのに、今ではデスクワークが12時間以上
- 2016年にLovationを創業
- 2017年に株式会社Lovationを設立
- 既婚、一児の父、3匹の犬と暮らす
- 東京と長野を行ったりきたりしています
山田真吾について
資格 : 照明士 / 商業施設士 / 色彩検定2級
「日本全国を、長く愛され続ける個性豊かなお店で埋め尽くす」というミッションを掲げ、小規模店舗に特化した設計・デザインをする「株式会社ロベイション」 を設立。お店を開きたい人が持つ価値を最大限に引き出し、夢につなげるお店を作ることをゴールに、これまでに手がけた店舗数は 170以上。 美容室、飲食店、物販、フィットネス系、サロン系など、あらゆる業態において実績があります。常に心がけていることは、立地など多少条件が悪くても、訪れたいと思ってもらえるような価値あるお店づくり。それは弊社が、情緒的価値を感じてもらえる設計デザインにこだわっているからです。
お店づくりのご相談はこちらからお問い合わせください。
丁寧に、お手伝いできることをご説明させていただきます。
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