飲食店の外観デザインで知っておきたい5つのこと
お店の顔ともいえる、飲食店外観のデザイン。頭の中でイメージしているお店らしさを表現したいと思っていても、どのようにデザインしたらいいのか悩みますよね。
頭に思い描いている外観からスタートすると、デザインを決めるまでに時間がかかるでしょう。
飲食店の外観にはさまざまなデザインがありますし、看板一つとっても種類が豊富です。「おしゃれなお店の外観」でイメージに近いものを探そうとすると、見た目の良い外観を見るたびに「これもいいな」と引っ張られてしまうかもしれません。
こういった“迷い”をできるだけ避けてスムーズに外観をデザインするには、飲食店の外観について理解を深めることが大切です。
そこで本記事では、飲食店外観デザインの基礎知識をわかりやすく解説します。
具体的には、以下の5つです。
- 飲食店における外観の役割
- 外観を作り込むのに適した条件
- 飲食店の外観を魅力的にデザインする際に不可欠な要素
- 弊社が飲食店の外観をデザインする際に最も重視していること
- 飲食店の外観をデザインする際の注意点
記事を読み終えた後は、出店するお店の外観をどのようにデザインしたらいいのかが、クリアになるでしょう。
目次
飲食店における外観の役割
飲食店における外観の役割はズバリ、集客です。
「そんなことはわかっている」という声が聞こえてきそうです。しかし、飲食店における外観の役割はとても明確です。それは、「飲食を目的とした人を集客する」という点に特化しています。
お客さんは、お店に入る前に頭の中でこの様に考えます。
- 「ゆっくりご飯を食べられる雰囲気なのだろうか」
- 「美味しいのだろうか」
- 「食べたい料理が食べられるのだろうか」
といった疑問を持っています。
こうした疑問に答えるのが、飲食店の外観です。お客さんは、外観を見て疑問を解消し、さらに店内で料理を楽しむ自分をイメージできた時に、店内に入ります。
また、飲食店の外観は価格帯の想像につながることもあります。飲食先を探しているお客さんにとって「値段は手頃なのだろうか」というのは、気になることではないでしょうか。
特に飲食店の価格にはピンからキリまであります。その為、外観から「高い・安い」を判断する傾向があります。
例えば、1貫100円のお寿司屋さんと、1貫2000円のお寿司屋さんでは入り口から雰囲気が違いますよね。
このように飲食店の外観には、お客さんにお店の情報(提供できる価値)を伝えます。そして、入店するかどうかの判断材料を与える役割を果たしています。
飲食店の外観デザインは、お店の雰囲気に加えて価格やメニュー内容が伝わるようなものが理想です。
外観を作り込むのに適した条件
作り込んだ外観を希望する場合に知っておきたいことがあります。それは、作り込んだ外観に適している場所とそうでない場所があるということです。
飲食店の外観を作り込むのに適した条件は、
- 1階店舗であること
- 道路に面した店舗であること
- 間口が広い。もしくは、角地
の3点。
外観を作り込むにはある程度のスペースが必要です。その為、1階店舗や道路に面した店舗などを選ぶ必要があります。外観で雰囲気を作りやすい場所・間口・建物の印象を考えると、が最適というのがその理由です。
2階以上の“空中階”と呼ばれている店舗でも、外観を作り込むことは不可能ではありません。しかし、足場を作ったりしっかりとした外観を設置するのに必要なスペースを確保したりするなど、“無理をしてしまう”ことが考えられます。そうするとコストがかさみ、予算をオーバーする可能性がありますので注意が必要です。
外観を作り込むことは、人気の飲食店の必須要件というわけではありません。例えば、「窓から見える景色を楽しみたい」「隠れ家的なお店で静かに過ごしたい」というお客さんは、空中階のお店を好む傾向がありますし、外観をしっかりと作り込まなくても、そうした雰囲気を演出することは十分可能です。
このように、作り込むことが難しいと考えられる場合は、立地条件に合った外観づくりを選択する方が賢明です。
飲食店外観を魅力的にデザインする際に不可欠な要素
街を歩いていると、さまざまな外観のお店に出会います。
特に、飲食店の外観は多岐にわたります。バラエティ豊富なデザインを目にすると、「その人のセンスで選んでいる」かのような印象を受けるかもしれません。けれども、人気店の外観は単に「インパクトがある」「おしゃれ」ではなく、戦略的に設計されている場合がほとんどです。
飲食店の外観デザインの役割
飲食店の外観がその役割を果たす為には、2つのポイントに沿って考えます。
疑問の解消
1つ目は疑問の解消です。お店に入る前に疑問を解消できることは、お客さんにとってもお店側にとってもいいことです。よくある事例は、ショッピングモール内の飲食店です。
お店の前にメニュー表を出すだけのお店は少なく、ほぼ全てのお店がサンプルを並べています。これは、お店に入る前に「ハンバーグとはいえ、どんなハンバーグなのか?」とか、「イタリアンとはいえ、どんな見た目の料理が出てくるのか?」という疑問にわかりやすく答えています。
期待感
2つ目は期待感です。1つ目のポイントを正確に表現すればするほど、お客さんは目で見た情報のままの価値を具体的に想像します。
これは「わかりやすい」ので、とてもいい事です。
しかし、価格帯が高めの場合は、「わかりやすい」だけでは価格相応の期待感を感じさせる事ができません。その結果、「高いだけのお店」と認識されやすいので、高単価のメニューを揃えているお店の場合は「わかりやすさ」だけでなく期待感も考慮すべきです。
お店側の提供価値や価格帯に合わせ、お客さんのお店に対する認識を整える事が飲食店の外観デザインに必要とされる役割です。
要素の組み合わせ
飲食店の外観がその役割を果たしつつ、外観を魅力的にするためにはどうすればいいのか?、不可欠な要素を組み合わせて設計します。
外観のデザインに盛り込むべき要素として具体的に挙げられるのは、
- 価格帯
- 何を売っているのか
- 誰がターゲットなのか
- どんなお店なのか
などです。
こうした要素を無視し、見た目だけにこだわって外観を作ってしまうと、単におしゃれなだけで、誰も近づかないお店になってしまいます。
飲食店外観のデザインの考え方
盛り込むべき要素を明確にする。それは、お店のコンセプトを明らかにすることにつながります。お店のコンセプトとは「お店の方向性」のことです。外観を含む店舗設計や提供するメニュー、価格、サービス内容など店舗に関係したことを決める際の軸となります。
ここでは詳しい設定方法の説明は省略しますが、
- 「どんな人に来てもらいたいか」を明確にし、
- 「その人に対してどのようなサービスを提供できるか」
- 「どのような雰囲気のお店だったら利用してもらえるか」
など、理想のお客さんから愛されるお店の方向性を決めていきます。
お店のコンセプトが決まると、理想とするお客さんが決まります。理想とするお客さんが決まると、外観デザインの方向性が決まります。
ただし、盛り込むべき要素を取り入れメッセージ性のある外観をデザインするには、専門家の知識が必要でしょう。具体的なデザインは、デザイン設計会社など、飲食店の外観デザインに対応している専門家からアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
弊社が飲食店外観をデザインする際に最も重視していること
飲食店の外観をデザインする際に、弊社が最も力を入れているのが事前調査です。飲食店の外観にはさまざまな情報を盛り込む必要があります。また、ライバルとデザインがかぶらないようにするためにも事前調査は欠かせません。
弊社では、最初に
- 提供するもの
- 価格帯
- デザイン
の3点を近隣の競合情報としてまとめます。
具体的には、繁盛しているお店を1~3の観点からバランスよく作られているかどうか、口コミの評判は高い/低いのかなどについて調査を実施し、情報収集します。
そして、収集した情報と、出店予定のお店が提供するものや価格帯、オーナーの希望などをすり合わせながら、最適なデザインを抽出します。
飲食店外観をデザインする際の注意点
飲食店の外観は、コンセプトにそったエントランスづくりが必須です。
言い換えれば、コンセプトがしっかりしていないと、外観づくりが失敗する可能性が高まります。
飲食店の外観デザインでもコンセプトは大切
例えばシンプルな外観を見て「落ち着いて食事ができそうだ」と期待して入ったら、テーブルが所狭しと並べられている店内に、居酒屋並みのノリで対応されたら、お客さんはびっくりしてしまうでしょう。
「とりあえず見栄えの良い外観になればよい」という考え方にも、注意が必要です。
コンセプトがあいまいなまま、施行会社に任せた結果どうなるのか?
- 「イメージしていた外観とは違う…」
- 「価格に見合った外観にならなかった…」
- 「価格相応の雰囲気にならなかった…」
などなど…
これらは珍しいケースではありません。
身近にある悪いケースです。
コアコンセプトすら決まっていないのであれば、まずはコンセプト作りから始めましょう。
コンセプト作りについては、「店舗のコンセプトを決める正しい方法と知識」を参考にしてください。
専門家に丸投げではダメ
また、専門家に言われるままに設計を進めた場合、コンセプトとは違った表現にお金をつぎ込んでしまう可能性も考えられます。
隠れ家をイメージした店舗の場合、お客さんに店内を見せないように外観を作ります。外から店内が見えないので、ある意味理にかなっていると言えるでしょう。ただし、一つ気をつけるのは、入りづらい雰囲気を強く出しすぎると、逆にお客さんに引かれてしまうことがある点です。こうしたことは、コンセプトを細かく作り込むことで回避可能です。
このように、飲食店の外観をデザインする際は、コンセプトをしっかり作ることが飲食店の外観デザインの失敗を避けるポイントと言えるでしょう。
まとめ
飲食店の外観をデザインするための土台となる部分について説明しました。
ここでもう一度、本記事の要点をまとめます。
- 飲食店の外観デザインの役割はお客さんが入店前に抱いている疑問に答えること
- 外観を作り込むなら空中階は避けるのが無難
- 飲食店の外観をデザインする際は“盛り込むべき要素”を取り入れる
- 弊社が飲食店の外観デザインで重要視しているのは事前調査
- 外観をデザインする前にお店のコンセプトをしっかりと決めておく
飲食店の外観づくりにおいて、オーナーがするべきこととして一番重要なこと。それは、お店のコンセプトづくりです。コンセプトがあいまいだと具体的に表現することが難しくなります。その結果、あいまいなデザインに仕上がります。
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