おしゃれな店舗の外観をデザインする設計方法を解説
おしゃれな外観は、店舗の顔とも言える重要なパーツです。
これから出店を予定していて、「外観をおしゃれにデザインしたいけれど、どんなふうにしたらいいかわからない」と、情報を探している人も多いのではないでしょうか。
店舗の外観のデザインは、いかにおしゃれにするか」というよりも、「いかに外観としての役割を果たすか」という点にフォーカスした方が、本当の意味での「おしゃれな外観」に仕上がります。
そこでこの記事では、おしゃれな店舗の外観をデザインする方法を探している人向けに、
- 外観の重要性
- おしゃれな外観をデザインする4つのステップ
- デザイン設計会社に依頼するタイミングと注意点
の3点について解説します。
目次
外観の重要性
店舗における外観とは、お店の表向きの様子や、外から見た感じのことを意味します。人間で言うと、見た目がそれにあたるでしょう。
私たちは、初対面の人となりを第一印象で判断する傾向にあります。お店もそれと同じです。お客さんに良い印象を与え、「このお店に入ろうかな」と決めてもらうという、大事な役割を果たしています。そして、役割を適切に果たすような外観を作ることが、デザインの目的です。
外観の構成要素とデザイン
外観は主に、
- 外壁
- 看板
- エントランス
- 照明
- 屋根
の5つで構成されています。
つまり、これらの要素をどうデザインするかによって、その外観が自らの役割を果たすかどうかが決まります。各要素の働きや効果は、次のとおりです。
- 外壁:外観の大部分を占める外壁は、お店の全体的なイメージを伝える働きがある
- 看板:店名や店舗の業種、コンセプトなどを伝える。また、遠方からでもお店の場所を確認できる目印の役割も果たしている
- エントランス:お店の入口。お客さんを店内に誘導する
- 照明:テーマにそって外壁や看板を演出したり、お客さんの目を外観に向けたりする。また、足元を照らし暗がりでもお客さんが移動できるよう安全性を担保する
- 屋根:外装のデザインを強調したり、雨や風などから店内を守ったりする
個々の要素の役割を見ると、お客さんベースであることがわかります。つまり、来てほしいお客さんについて理解を深めることにより、外観を適切にデザインできるというわけです。
外観デザインと店舗コンセプト
外観をデザインする際は「お客さんがどう感じるか」という視点が抜けないように注意しましょう。これは、「おしゃれな外観」とは、お客さんが「おしゃれだな。利用したいな」と思うような外観を意味します。そして、お客さんにおしゃれだと思ってもらえるような外観づくりに必要なのが、店舗コンセプトです。
店舗コンセプトとは簡単に言うと、「その店舗の定義」のことです。外観デザインの方向性を決めるという重要な役割を果たしています。
「店舗の定義」というとやや難しく聞こえるかもしれませんが、要は「美味しいカレーを安く提供するお店」など、お店に価値付けをした表現と考えると理解しやすいでしょう。
コンセプトを決めると、例えば「美味しいカレーを安く食べたい人はどんな外観を好むか」というふうに、テーマを絞り込んだ状態からデザインを考えることができます。
つまり、コンセプトをデザインに落とし込むことによって特定の人にお店の特徴を伝え、集客に結びつけるというメッセンジャー的な役割を持つ外観ができあがるのです。
お店のコンセプト作りについては「店舗のコンセプトを決める正しい方法と知識」を参考にしてください。
おしゃれな外観をデザインする4つのステップ
おしゃれな外観をデザインするには、どのように進めたらよいのでしょうか。
弊社では、以下4つのステップで、外観デザインを考えています。
- 企画設計
- 物件選び
- レイアウト設計と外観デザイン
- 内装デザインとの親和性
それぞれ詳しく見てみましょう。
①企画設計
企画設計とは、店舗の骨組みに関する設計のことです。
企画設計には、お店の情報(立地やコンセプトなど)や市場調査で得た情報をもとに、外観のアイデアや、コスト、スケジュールといった情報を盛り込みます。
良い企画設計を作成するには、事実にそってできるだけ具体的にすることがポイントです。そのために必要となるのが、情報収集力です。市場調査では、周辺店舗の外観デザインや業種、営業形態に加えて、人の流れにも注目します。そうすることで、看板をどちらの方向に設置すると効果的かなど、レイアウト設計がしやすくなるでしょう。
②物件選び
企画設計をもとに店舗に対する希望条件を整理し、対象となるエリアで物件を探します。
物件には大きく分けて、「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があります。前のオーナーが使用していた設備などが残されている居抜き物件は、内装をイチからする必要のあるスケルトン物件よりも費用を抑えられると言われています。けれども、必ずしもそうとは限りませんので、物件を選ぶ際は、どちらも選択肢に入れて探すことが賢明です。
外観を作り込みたい場合は、1階や道路に面した物件をおすすめします。その理由について、別記事に詳しく書きましたので参考にしてください。
・参考:『美容室の外観をおしゃれにデザインするには?設計のプロがポイントを解説』
③レイアウト設計と外観デザイン
物件が決まったら、外観のレイアウトとデザインに入ります。
全体的な外観デザインは、お店のコンセプトと「消費行動」を考慮します。消費行動とは、お客さんがお店の存在に気づいてからサービスを利用するまでの行動のことです。外観を作る場合は、お客さんが入店するまでの消費行動にフォーカスし、目的を果たせるようデザインします。
レイアウト設計と外観デザインにおいては、それぞれ留意点が異なります。
できるだけ多くの人に入店してもらうために、レイアウト設計では以下の3点に留意します。
- 人はどこから流れてくるのか
- どうやって店内に誘導するか
- どうやってお店の情報を伝えるか
外観デザインにおいては
- 配色
- 素材
- 照明の使い方
- 装飾
- 雰囲気の演出
などに留意します。
④内装デザインとの親和性
店舗デザインは、内装と外装に大きく分けられます。両方を切り離して考えることはなく、つながりを念頭に置きながら店舗をデザインします。これは、お客さんに違和感を与えるのを避けるためです。例えば、外観から「静かな雰囲気の中、お酒を楽しめそう」とイメージして入店してみたら、店内はにぎやかなディスコだったとしたらどうでしょうか。お客さんは、お店のイメージと現実とのギャップにがっかりしてしまうでしょう。
内装と外装についてデザインする順番には、特に決まりはありません。デザインを考える順番はとても難しいのです。しかし、内装のデザインよりも外装を先にするケースが多いです。というのも、入り口の位置をどこに配置するべきかなど、レイアウトの検証に密に絡んでいるのが、外観デザインであるからです。内装と外装のデザインを同時に考えることも多いのですが、あえて優先順位をつけるとしたら、後者が先でしょう。
デザイン設計会社に依頼するタイミングと注意点
外壁デザインは、デザイン設計会社に相談しながら作業を進めるのが一般的です。
お店のコンセプトやイメージは、オーナー1人で決めることも可能ですが、具体的な設計は、専門家に依頼することになるでしょう。
それでは、デザイン設計会社にいつ依頼するのがよいのでしょうか。
無難なタイミングとして挙げられるのが、
①企画設計の時
②物件が決まった後
です。
多くの人は、②を選ぶ傾向にあります。物件が決まった後に具体的なデザインに入りますので、タイミング的に悪くはありません。けれども、オーナーは、物件を決めるまでの作業を1人でする必要があります。
具体的には、
- 物件を活かして外観を作り込めるのか?
- 計画はターゲット層に合致しているか?
- 予算に見合っているか?
- ライバル店とデザインは似通っていないか?
- 人の流れにそったレイアウトになっているか?
といったことを判断するのはオーナーです。専門知識があれば別です。しかし、素人がこれらの項目について正確に判断を下すことは、難しいのではないでしょうか。
その点①の場合は、企画設計の段階から専門家と情報を共有し一緒に進められるため、一貫性のある店舗づくりが期待できます。
ただし、デザイン設計会社の中には、見た目のデザインのみに対応している会社が多いです。なので、マーケティング知識を持ち、企画設計から対応しているところを選ぶようにしましょう。
まとめ
おしゃれな店舗の外観づくりについて解説しました。
外観デザインで大切なことは、「おしゃれさ」から入らないことです。外観の役割と店舗コンセプトをすり合わせることによって、その店舗にとってベストな(おしゃれな)外観デザインが生まれます。
おしゃれな店舗の外観デザインを実現するには、専門的な知識と技術を必要とします。そのため、納得の行く外観を作りたいのなら、早い段階でデザイン設計会社に相談することが望まれます。弊社では、これから出店を検討しているオーナー様向けに、メルマガを発行しています。メルマガを通じて外観デザインに関する情報をはじめ、弊社の店舗デザインに対する考え方や活動について定期的に情報を提供していますので、興味があったら購読してください。
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