美容室の内装デザイン例と特徴|ターゲットに刺さる空間づくりのコツ
「美容室の内装は、どのように決めたらいいんだろう」
「美容室の内装をどんなデザインにするかイメージを固めたい」
美容室の内装デザインは、お客様がサロンを選ぶ際の重要な要素です。そのため、開業時にどのような内装にしたらよいか悩む方も多くいるでしょう。
美容室の内装デザインには、以下のようにさまざまなタイプがあり、異なる特徴を持っています。内装を決める際は、まずデザインの種類や特徴を理解しておくことが大切です。
【内装デザイン タイプ別の特徴一覧】
内装デザイン | 特徴 |
ナチュラル系 | ・木材や石材、植物などの自然素材を多く使用・自然光や温かみのある照明 ・ベージュや白などのアースカラーが基調 ・明るく清潔感があり、落ち着いた癒しの雰囲気 |
シンプル系 | ・装飾を控えめにし、機能性を重視 ・白や黒、グレーなどのモノトーンカラーを使用 ・清潔感があり、すっきりとした洗練された印象 |
ラグジュアリー系 | ・上質な木材や大理石、革張りの椅子など、高級素材を使用 ・プライベートな個室やゆったりした施術スペースを確保 ・ゴールドや重厚感のある色調を用いたデザイン ・高級ホテルのような非日常的な空間 |
アンティーク系 | ・ヴィンテージ感のある家具や装飾を使用 ・木材の風合いや金属の質感を活用 ・くすみのある色や、深みのある色を使用 ・上品で温かみのある、落ち着いた雰囲気 |
ただし、
「内装のデザイン例を見て、自分好みの内装を選ぼう」
「人気店を真似した内装にしたい」
と考えているなら、注意が必要です。
なぜなら、あなたの美容室のターゲットと内装の雰囲気が合っていないと、集客につながらず失敗する可能性があるからです。
【失敗例:ターゲットと内装の雰囲気が合っていないケース】
あなたの好みや人気店を真似した内装が、ターゲットに好まれるとは限りません。
「あなたの美容室に来るお客様」に対して魅力的に映る、心地よい空間にしなければ、あなたの美容室を選ぶ理由がなく、事業に失敗するリスクを高めてしまうのです。
そこでこの記事では、美容室の内装に悩んでいる方に向けて、内装デザインのタイプ別特徴から、失敗しない内装の決め方、業者選びのポイントまでを詳しく解説します。
この記事でわかること
・美容室の内装タイプ別の特徴、デザイン例
・好みや真似で内装デザインを決めることの危険性
・失敗しない内装デザインの決め方
・美容室の内装をどこに依頼すべきか
・内装費用の相場・業者選びで失敗しないためのポイント
この記事を読めば、あなたの美容室をどのような内装にすべきか、自信を持って判断できるようになります。
依頼先業者の違いや、失敗しない業者選びのポイントも詳しく解説しているので、理想の内装を実現するための信頼できる業者を探す際にも役立つはずです。
ぜひ最後まで読んで、ターゲットに永く愛される魅力的な美容室を作りましょう。
目次
1. 【4つのタイプ別】美容室の内装デザイン例
まずは、美容室の内装デザインのタイプ別に、
- 内装の特徴
- どのようなお客様に好まれる傾向があるか
- おすすめなケース
を解説します。
実際の内装事例を見せながら説明していくため、それぞれの内装の特徴を理解しましょう。
【内装デザイン タイプ別の特徴一覧】
内装デザイン | 特徴 |
ナチュラル系 | ・木材や石材、植物などの自然素材を多く使用 ・自然光や温かみのある照明 ・ベージュや白などのアースカラーが基調 ・明るく清潔感があり、落ち着いた癒しの雰囲気 |
シンプル系 | ・装飾を控えめにし、機能性を重視 ・白や黒、グレーなどのモノトーンカラーを使用 ・清潔感があり、すっきりとした洗練された印象 |
ラグジュアリー系 | ・上質な木材や大理石、革張りの椅子など、高級素材を使用 ・プライベートな個室やゆったりした施術スペースを確保 ・ゴールドや重厚感のある色調を用いたデザイン ・高級ホテルのような非日常的な空間 |
アンティーク系 | ・ヴィンテージ感のある家具や装飾を使用 ・木材の風合いや金属の質感を活用 ・くすみのある色や、深みのある色を使用 ・上品で温かみのある、落ち着いた雰囲気 |
【内装デザイン タイプ別の特徴一覧】
気になる内装デザインがある方は、以下のリンクから該当部分をご確認ください。
1-1. ナチュラル系の内装
【ナチュラル系|内装の特徴】
・木材や石材、植物などの自然素材を多く使用 ・自然光や温かみのある照明 ・ベージュや白などのアースカラーが基調 ・明るく清潔感があり、落ち着いた癒しの雰囲気 |
【ナチュラル系|ターゲット・どのようなお客様に好まれるか】
・幅広い年齢層 ・落ち着いた雰囲気を好む人 |
【ナチュラル系の内装がおすすめなケース】
・幅広い年齢層のお客様に利用してほしい ・居心地のよさを重視した内装にしたい |
ナチュラル系の内装は、木材や石材、植物などの自然素材を生かしたデザインで、ベージュや白を基調としたアースカラーが特徴です。
明るく清潔感があり、木材の温かみや自然光を感じさせることで、落ち着いた癒しの雰囲気を演出できます。
小物や色味を工夫し、女性らしさをプラスしたり、シンプルで中性的な空間にアレンジしたりもできます。年齢を問わずに居心地のよさを感じやすいので、幅広い年齢層のお客様に対応したい場合におすすめです。
ターゲットとなるお客様のニーズに合わせた空間づくりを行えば、よりリラックスして施術を受けられるでしょう。
1-2. シンプル系の内装
【シンプル系|内装の特徴】
・装飾を控えめにし、機能性を重視 ・白や黒、グレーなどのモノトーンカラーを使用 ・清潔感があり、すっきりとした洗練された印象 |
【シンプル系|ターゲット・どのようなお客様に好まれるか】
・幅広い年齢層 ・男性 ・機能性やシンプルで上品なデザインを好む人 |
【シンプル系の内装がおすすめなケース】
・機能性を重視した、上品な空間を作りたい ・男性客が気兼ねなく来店できる美容室にしたい |
シンプル系の内装は、モノトーンカラーや直線的なデザインを使った、大人っぽくモダンな雰囲気が特徴です。
装飾を最小限に抑えた無駄のないデザインにすることで、洗練された印象を与えられます。
シンプルな内装は、比較的幅広い年齢層に好まれる傾向があります。天井のコンクリートや壁面をそのまま活用すると無機質でスタイリッシュな印象になり、男性のお客様を意識した内装にしたい場合にもおすすめです。
視覚的なノイズが少ないすっきりとした空間になるため、お客様のヘアスタイルやカラーを際立たせる効果も期待できます。
ただし、シンプルすぎるデザインは寂しい印象を与え、記憶にも残りにくくなります。
そのため、セット椅子や照明、床材などにアクセントとなる異素材や色を取り入れることで、あなたの美容室の個性を出しましょう。
個性的な照明を設置したり、エリアで異なる雰囲気を作ったりすることで空間全体が引き締まり、洗練された上品さを感じさせる内装になります。
1-3. ラグジュアリー系の内装
【ラグジュアリー系|内装の特徴】
・上質な木材や大理石、革張りの椅子など、高級素材を使用 ・プライベートな個室やゆったりした施術スペースを確保 ・ゴールドや重厚感のある色調を用いたデザイン ・高級ホテルのような非日常的な空間 |
【ラグジュアリー系|ターゲット・どのようなお客様に好まれるか】
・美容に関心が高く、お金をかけられる人 ・大人の女性 |
【ラグジュアリー系の内装がおすすめなケース】
・高度な技術と洗練されたサービスを提供する、ハイブランドな美容室を作りたい ・贅沢な美容体験を提供し、リフレッシュできる空間にしたい |
ラグジュアリー系の内装は、非日常的な高級感を演出するデザインが特徴です。上質な素材を使用して、心地よく過ごせる空間を作ることで、特別感を提供します。
上質な木材や大理石、重厚感のある色調、柔らかな光を放つ照明などを取り入れ、上品で落ち着きのある雰囲気を演出します。
統一感が崩れるとチープな印象を与えてしまうため、革張りの椅子やシャンデリアなど、使用するアイテムの質やデザイン性にもこだわることが大切です。
細部にまでこだわり、空間全体で雰囲気を作り上げることで、高級ホテルのようなリラックスできる雰囲気を演出できるでしょう。
ラグジュアリー系の内装は、上品な大人の女性を惹きつけたい場合におすすめです。
個室や半個室を確保できるようにレイアウトを組めば、プライベートな空間でゆったりと施術を受けたい方にも喜ばれます。
のんびりとリフレッシュでき、慌ただしい日常を忘れられるような、贅沢なひとときを提供できるでしょう。
1-4. アンティーク系の内装
【アンティーク系|内装の特徴】
・ヴィンテージ感のある家具や装飾を使用 ・木材の風合いや金属の質感を活用 ・くすみのある色や、深みのある色を使用 ・上品で温かみのある、落ち着いた雰囲気 |
【アンティーク系|ターゲット・どのようなお客様に好まれるか】
・テイストによって幅広い年齢層に対応 ・落ち着いた雰囲気を好む人 |
【アンティーク系の内装がおすすめなケース】
・温かみのある雰囲気で、リラックスできる空間にしたい |
アンティーク系の内装は、独特の温かみと歴史を感じさせる雰囲気が特徴です。
使い込まれたような風合いのある素材を使用することで、個性的で高級感のあるおしゃれな内装になります。
アンティーク系の内装にはさまざまなテイストがあり、使用するアイテムや素材によって印象が変わります。
例えば、シンプルで落ち着いたデザインの家具を合わせると、温かみのある上品な印象に。
重厚感のあるアイアン素材やくすみ色の木材などを使用すれば、カジュアルでかっこいい雰囲気に仕上がります。
そのため、どのようなテイストにするかは、理想とするお客様に合わせて決めるとよいでしょう。
2. 【注意】内装デザインを好みやイメージで決めると失敗のリスクが高まる!
紹介した美容室の内装デザイン事例や、人気店の内装を見て
「同じような内装デザインにしよう」
「気に入ったデザインがあったから、このイメージで内装を作ろう」
このように考えている方もいるかもしれません。
しかし、自分の好みや人気店の真似で内装デザインを考えてしまうと、失敗するリスクが高まるため注意してください。
なぜなら、ターゲットにあなたの美容室が選ばれにくくなるからです。
【満足度を高めて顧客獲得につなげる流れ】
美容院を探す際、初回は口コミや外観、インターネットで店舗の雰囲気を見て、来店を決める傾向にあります。
そのため、
- センスのよい内装で「すてきなヘアスタイルにしてくれそう」という期待を高め、来店してもらう
- 居心地がよい空間を提供し、顧客満足度を高める
ことによって、口コミやSNS投稿を通じて、店の評価や認知度を上げることが大切です。
それが結果として差別化になり、新規顧客とリピーターの両方の獲得につながります。
しかし、あなたの好みやイメージしている内装が、ターゲットに好まれるとは限りません。以下のような内装だと集客につながらず、リピートもしてもらえないでしょう。
- ターゲットとお店の雰囲気が合わず、来店を躊躇したり居心地の悪さを感じたりする
- 特徴がなく当たり障りのないデザインで、選ぶ魅力を感じない
- 他店と同じような内装デザインで、違いがわからない
【失敗例:ターゲットと内装の雰囲気が合っていないケース】
例えば、
「男性も気軽に通える美容室にしたい」と考えているにもかかわらず、人気店を真似して女性が好みそうなかわいらしい内装にした場合、以下が考えられます。
- 男性が来店前に「行って大丈夫だろうか」「場違いではないか」と不安になる
- 来店して居心地の悪さを感じ、次回以降の来店につながらない
つまり、あなたの美容室のターゲットに対して、魅力的に映ること、心地のよい空間にすることが非常に重要なのです。
そのため、好みのデザインや人気店の真似ではなく、しっかりと「あなたの美容室のターゲットに響くか」を考えて内装デザインを決めましょう。
次章では、内装デザインを考える際に重要なポイントについて詳しくお伝えします。
3. 美容室の内装の決め方|失敗しないために重要なポイント2つ
美容室の内装デザインを考えるときは、以下2つのポイントを押さえると失敗のリスクを下げられます。
内装デザインで失敗しないためのポイント
・【最重要】内装デザインはコンセプトとターゲットから決める
・空間全体に統一感を持たせる
特に、1つ目で紹介するコンセプトとターゲットは、内装デザインの方向性を決める軸となります。
明確にしてから内装を考えていくことで、方向性のぶれを防ぎ一貫性のある内装デザインを作りやすくなるため、必ず押さえておきましょう。
3-1. 【最重要】内装デザインはコンセプトとターゲットから決める
最も重要なのは、美容室のコンセプトとメインターゲットを軸に、内装デザインを考えることです。
コンセプトとターゲットをもとに考えないと、内装でなにを重視すべきか判断できず、方向性がぶれてしまいます。
例えば、あなたが美容室のコンセプトとターゲットを
- コンセプト:日常を忘れてリラックスできる癒しの美容室
- ターゲット:働いている30代~40代の女性
と定めているなら、大人の女性がリラックスしやすい環境を重視して内装を考えるべきです。
また、「2. 【注意】内装デザインを好みやイメージで決めると失敗のリスクが高まる!」でお伝えしたとおり、ターゲットが好まない内装にしてしまうと来店してもらえません。「誰にでも好かれる内装」では差別化できず、結局誰にも選んでもらえないのです。
コンセプトやターゲットとの相性を考えて内装デザインを決めることで、一貫したメッセージを伝えられ、居心地のよさや「また行きたい」という満足度につながります。
自分の好みではなく、コンセプトとターゲットに合っているかを基準に内装デザインを考え、イメージが固まったら業者に依頼しましょう。
「ターゲットに合わせた内装デザインがわからない」
「コンセプトが明確に決まっていない」
という場合は、事業計画を立てる段階からサポートしてくれるデザイン設計会社や設計施工会社に相談し、サポートしてもらうことも可能です。
3-2. 空間全体に統一感を持たせる
おしゃれな内装にするには、空間全体に統一感を持たせることも大切です。
統一感がないと、ごちゃごちゃしてあかぬけない印象を与えてしまいます。
コンセプトとターゲットをもとに内装デザインの方向性を固めたら、イメージがずれないよう配色やインテリアを選択していきましょう。
配色の黄金比は「70:25:5」と言われており、空間全体の色の比率を意識するだけでもバランスを取りやすくなります。
使用する素材が同じでもテイストが変わると異なる印象になるので、照明やセット椅子もできる限りイメージと合うものを選んでください。
遊び心を持たせたいなら、部分的に異素材や個性的なインテリアを取り入れると空間のアクセントになります。その場合も、素材や色味を合わせて選ぶことで、まとまりのある空間になるでしょう。
統一感を意識しながら内装の色や素材、アイテムを選び、全体でバランスを取ることで、魅力的な空間が作れるはずです。
4. 内装の依頼先|3つの選択肢を安い順に解説
美容室の内装依頼先には、
- 施工会社
- 設計施工会社
- デザイン設計会社
の3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
【美容室の内装依頼先】
業者 | デザイン | 費用感 | おすすめな人 |
施工会社 | △ | ◎ | ・内装にあまりこだわりがなく、費用をかけずに完成させたい人 ・デザインや図面が決まっていて、施工のみ依頼したい人 |
設計施工会社 | 〇 | 〇 | ・スムーズに内装を整えてオープンしたい人 ・予算内でデザイン性のある内装を作りたい人 |
デザイン設計会社 | ◎ | △ | ・理想の美容室を作りたい人 ・予算や工期にある程度の余裕がある人 |
業者の種類ごとに特徴やおすすめな人を解説するため、あなたが優先したいことに合わせて依頼先を選びましょう。
4-1. 施工メインで請け負う工務店などの「施工会社」
施工会社とは、施工に特化した工務店などの会社です。
主力事業は施工であり、設計と施工の両方を依頼する場合は、過去の経験に基づいて設計を行います。
施工会社に依頼する主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
施工会社に依頼するメリット・デメリット
メリット | ・費用を抑えられる ・軽微な変更なら、柔軟に対応してもらえる |
デメリット | ・デザイン力や提案力は期待できない |
施工会社は、費用を抑えられることが一番のメリットです。施工に特化しているため、自分で考えて具体的なデザイン設計を依頼できる場合は、内装工事費用を抑えられるでしょう。
また、現場での対応力が高く、スケジュールや設計上問題のない軽微な変更であれば、柔軟な対応が期待できます。
しかし、デザインや設計のプロではないので、美容室特有の導線や設備を考慮した提案は期待できません。
- デザインに独自性を出したい
- 自分のこだわりを反映した内装を作りたい
- 内装で差別化をしたい
という場合は、施工会社への依頼は適さない可能性が高いでしょう。
施工会社への依頼がおすすめな人
・内装にあまりこだわりがなく、費用をかけずに完成させたい人
・デザインや図面が決まっていて、施工のみ依頼したい人
4-2. 設計と施工の両方を行う「設計施工会社」
「設計施工会社」は、自社でデザイン設計から施工までを行う会社です。
設計施工会社に依頼する主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
設計施工会社に依頼するメリット・デメリット
メリット | ・完成までの時間を短縮しやすい ・予算内で実現可能な内装デザインを提案してもらえる ・デザイン設計会社に依頼するよりも費用を抑えられる |
デメリット | ・デザイン力、提案力は、デザイン設計会社よりも低い ・施工性や利益率を考慮した提案になる可能性がある |
設計施工会社に依頼する場合、設計と施工の両方を一括で任せられるため、窓口を一本化できます。情報伝達がスムーズになり、完成までの時間を短縮しやすいことがメリットです。
また、業者が全体の予算を把握した状態で内装デザインを考えられるので、予算に応じたデザインや施工を提案してもらえます。
ただし、業者の施工のしやすさや、利益率を考慮した設計になる可能性があることには注意が必要です。
設計と施工どちらも1社が行うことで、予算の枠組みの中でできる内装を設計することになるからです。
「あなたの理想のデザインを、費用を抑えて実現する」という考え方で内装づくりを進められない点は、大きなデメリットと言えるでしょう。
設計施工会社への依頼がおすすめな人
・スムーズに内装を整えてオープンしたい人
・予算内でデザイン性のある内装を作りたい人
4-3. 内装デザインを専門に行う「デザイン設計会社」
デザイン設計会社は、内装デザインや設計を専門に行う会社です。
デザイナーや設計士があなたの希望を聞き取って図面を作成します。その図面をもとに、施工会社が内装工事を担当する仕組みです。
施工会社に依頼した後は、工事が図面どおりに行われているかをデザイン設計会社が監理します。
デザイン設計会社に依頼する主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
デザイン設計会社に依頼するメリット・デメリット
メリット | ・デザイン性と機能性を兼ね備えた理想の店舗づくりができる ・相見積もりで複数の施工会社を比較し、条件のよい業者を選べる |
デメリット | ・施工会社を探す手間がかかる ・工期が長くなる可能性がある ・費用が高くなる傾向がある |
デザイン設計会社では、オーダーメイドで独自のデザインを作成できるため、あなたのこだわりや要望を細部にまで反映できます。
導線設計やお客様への訴求力など、機能性とデザイン性を両立した内装づくりが得意で、集客力のあるお店づくりを実現できるでしょう。
また、設計した図面をもとに施工会社に相見積もりを行うことで、相場を正確に把握できます。そのため、不当に高い工事金額で契約してしまうリスクを軽減できます。
一方で、デメリットは図面作成後に施工会社を探す手間が発生する点です。
デザイン設計会社と施工会社の両方と連携する必要があるため、工期が長引いたり、総工費が高くなったりする傾向もあります。
デザイン設計会社への依頼がおすすめな人
・理想の美容室を実現したい人
・予算や工期にある程度の余裕がある人
5. 内装費用の相場|スケルトン60~90万円、居抜き37.5~60万円
内装を考えるにあたり、どれくらいの費用がかかるかは気になるポイントですよね。
そこでこの章では、美容室の内装工事にかかる費用相場を簡単に解説します。
ただし、内装工事費用は希望する内装や依頼先、物件の状況によっても大きく変わります。実際にかかる内装工事費用を知りたい場合は、複数の業者から見積もりを取得するとスムーズに把握できるでしょう。
内装工事費用の相場は、以下のとおりです。
【美容室の内装工事費用の相場】
物件の種類 | 相場(坪単価) |
スケルトン物件 | 60万円~90万円 |
居抜き物件 | 37.5万円~60万円 |
美容室の内装工事にかかる費用は、物件の種類によって大きく異なります。
スケルトン物件の場合、壁や天井、設備を一から作る必要があるため、費用が高くなる傾向にあります。水道や電気、ガスなどの設備工事を含め、1坪当たり60万円~90万円が相場です。
一方、居抜き物件の場合は、残っている内装や設備を活かして店舗を作れることが特徴です。
もともと美容室だった居抜き物件を借り、残されている設備を使用すれば、1坪当たり37.5万円~60万円と内装費用を大きく抑えられます。
ただし、以下の場合は費用が高くなる可能性があるため注意が必要です。
- 造作譲渡料が高額
- 別業種の居抜き物件
- レイアウト変更や大がかりな改装が必要
居抜き物件では、引き継ぐ内装や設備などに対して、造作譲渡料を支払う必要があります。造作譲渡料は、残された造作の価値やオーナーの設定によって異なることから、想定以上の費用を請求されることもあるでしょう。
また、美容室以外の居抜き物件や、水圧やレイアウトの問題で現状の設備を利用できない場合は、解体や再設置工事が必要です。
一部を改装したことで、残された造作物との違いが気になり、結局全体的な作り変えを希望するケースも少なくありません。
そのため、居抜き物件の場合は、造作譲渡料が納得できる金額か、内装や設備をそのまま使えるのかを十分検討することが大切です。
スケルトン物件と居抜き物件、それぞれの内装工事費用の相場や特徴を理解し、依頼する際の参考にしてください。
内装工事にかかる費用については、「内装工事にかかる費用一覧!工事する物件の種類・業種別に詳しく解説」の記事でも解説しています。
6. 美容室内装は業者選びが重要!失敗しないためのポイント5つ
美容室の内装工事は多額の費用がかかるため、業者選びを間違えると大きな損失を招く恐れがあります。
そのため、業者探しを始めようと考えている方は、以下5つのポイントを押さえて失敗を防ぎましょう。
美容室の内装業者選びで失敗しないためのポイント
・美容室の内装デザインや施工に強みがある業者を選ぶ
・複数の業者に見積もりを依頼する
・見積もり内容に不明確な部分がないか確認する
・コミュニケーションが円滑で、真摯に対応してくれる業者かを見極める
・プロならではの意見や提案をしてくれる業者を選ぶ
悪質な業者に依頼したり、不当に高額な契約を結んだりして後悔しないために、ポイントをしっかり押さえて信頼できる業者を見つけてください。
6-1. 美容室の内装デザインや施工に強みがある業者を選ぶ
内装を依頼する際は、美容室の内装実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
美容室の設備やオペレーションに関する知識が乏しい業者に依頼してしまうと、業務効率が低下したり、顧客満足度が損なわれたりするリスクがあるからです。
美容室の内装は、
- 汚れることを想定した、掃除しやすい素材選び
- プライバシーを確保できるセット椅子やシャンプー台の配置
- お客様とスタッフがスムーズに動ける導線の確保
- エリアごとに適した照明の強さ
などを十分に考慮する必要があります。
これらの要素を満たした内装にするには、美容室特有のニーズや業界知識を理解している業者に依頼することが欠かせません。
しかし、美容室の内装実績がない業者の場合、必要な知識や経験が十分に備わっているか判断するのは困難です。
一方で、美容室の内装実績が豊富にある業者なら、これまでの経験から美容室特有のニーズや業界知識を理解しているため、安心して依頼できます。結果として、お客様とスタッフ両方の満足度が高い内装に仕上がるでしょう。
そのため、業者選びの際は公式サイトなどを確認し、美容室のデザインや施工経験が豊富にあるかどうかを必ずチェックしてください。
美容室のデザイン設計や施工に強みがある業者を選ぶことで、あなたの理想とする美容室の実現に近づきます。
6-2. 複数の業者に見積もりを依頼する
内装を依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取得しましょう。
1社からの見積もりでは比較対象がなく、適正な金額なのか判断するのは難しいものです。
特に初めて美容室の内装工事を依頼する場合、取得した見積もり金額が妥当かどうかわからず、不安を感じる方も少なくありません。
希望や予算を伝え、複数の業者から見積もりを取得すれば、あなたの理想を実現するために必要な金額の相場や、予算内でできる範囲を理解できます。
見積もりを比較することで、似たような条件で見積もりが出てきた場合に、業者に価格交渉をしやすくなるメリットもあるでしょう。
相場を理解し、金額に納得したうえで業者に依頼するために、複数から見積もりを取得することが大切です。
見積もり金額だけで業者を選ぶのは危険!
「見積もり金額が安い」という理由だけで、安易に業者を選ぶのは避けましょう。
なぜなら、設計や条件が異なると、見積もりの費用も変わるためです。単純な金額比較で選ぶと、誤った判断をする可能性が高まります。
例えば、
・内装の設計内容
・使用する素材の種類や面積
・造作物の量や複雑さ
・見積もりに含まれる設備
が異なると、費用や完成イメージにも大きな差が生じます。
費用を安く抑えられても、希望するイメージと異なる内装になってしまったら後悔するでしょう。
業者によっては、見積もりにシャンプー台などの設備費用が含まれているケースもあります。一見高く感じる場合でも、総合的に考えると費用を抑えられる可能性もあります。
このように、同じ図面で条件をそろえて施工費用の見積もりを取る場合を除き、見積もり費用だけで単純な比較はできないのです。
また、特に注意したいのは、異常に安い見積もりを提示する業者です。
契約が欲しいがために低い見積もり金額を提示し、契約後になんらかの理由を付けて追加費用を請求する悪質な業者も存在します。
そのため、次章以降でも解説しますが、見積もり金額だけでなく、
・過去の実績
・見積もり内容の透明性
・業者の誠実な対応
・提案力
などを総合的に検討し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
6-3. 見積もり内容に不明確な部分がないか確認する
見積もりが届いたら、記載されている内容をしっかり確認してください。
不明点や疑問点をなくすことで、契約後のトラブルや悪質な業者への依頼を避けられます。
具体的には、以下の点に注意しながら見積もり内容をチェックしていきます。
・まとめて記載されている項目の内訳はなにか(〇〇一式、諸経費など) ・別途かかる費用がないか ・専門用語やあいまいな表現を使った、意味がわからない項目がないか |
見積もりを見て少しでも疑問や不明点があれば、納得できるまで業者に質問しましょう。信頼できる業者であれば、丁寧にわかりやすく説明してくれるはずです。
質問に対して明確な返答を避けるようなら、その業者に依頼するのは避けることをおすすめします。
下記の記事では、見積もりを依頼する際のポイントや項目について詳しく説明しています。あわせてご覧ください。
内装工事の見積もりで知っておくべきこと一覧!項目・例と見方を解説
6-4. コミュニケーションが円滑で、真摯に対応してくれる業者かを見極める
美容室の内装工事をスムーズに進めるには、コミュニケーションが円滑で、真摯に対応してくれる業者を選ぶことが不可欠です。
そのような業者であれば、安心して設計や施工を任せられ、希望を反映した内装を実現しやすくなります。
具体的には、以下のような姿勢で対応してくれるか確認しましょう。
・あなたの要望を正確にくみ取り、言語化してくれる ・疑問点を丁寧に説明し、解消してくれる |
このような業者であれば、内装のデザインや工事に関する不安を解消し、理想の美容室づくりに大きく貢献してくれるはずです。
一方で、以下のような業者は希望どおりの内装が実現しないだけでなく、後々トラブルに発展するリスクがあるため、避けたほうがよいでしょう。
・連絡が取りにくい、レスポンスが遅い ・あなたのイメージや要望がうまく伝わらない ・あなたと担当者と感性が合わない ・質問や相談に対して誠実な回答が得られない |
納得のいく美容室づくりを進めるために、見積もり取得などの事前のやり取りをとおして信頼できる業者かどうかを見極めてください。
6-5. プロならではの意見や提案をしてくれる業者を選ぶ
業者を選ぶ際は、プロならではの意見や提案をしてくれる業者かをチェックしましょう。
単純に要望を受け入れるだけではなく、あなたの希望を形にするために、専門的な視点からアドバイスをしてくれる業者が理想です。
例えば、予算が限られていて希望する内装の実現が難しい場合でも、
「この部分を調整すれば、予算内で実現可能です」
「お客様に見える部分と見えない部分で、コスト配分を工夫しましょう」
といった、前向きで具体的な提案をしてくれる業者は信頼できます。
一方で、
「その予算では、希望どおりの内装はできません」
「もっと予算を上げてください」
のように、一方的に否定するだけで提案する姿勢が見られない業者は、親身なサポートは期待できないでしょう。
また、内装イメージの方向性が外れているときや、より適した方法があるときに、しっかりと指摘し改善策を示してくれる業者なら、事業を成功に導く効果も期待できるはずです。
理想とするお客様に来店してもらえるか、満足してもらえるかを、あなたと一緒に徹底的に考えてくれる業者を選ぶことが重要です。
しっかりと見極め、あなたの理想を形にして、共に実現してくれる信頼できるパートナーを見つけてください。
7. 美容室の内装なら、店舗デザインの専門家「Lovation」にお任せください
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Lovationが選ばれる理由
・あなたの想いを反映し、一貫性のある魅力的な内装デザインを実現
・透明性の高い料金設定で、費用の不安を軽減
・物件探しから開業後の運営相談までトータルサポート
7-1. あなたの想いを反映し、一貫性のある魅力的な内装デザインを実現
Lovationでは、あなたの理想や、ターゲットとなるお客様を最優先に考えた内装デザインを提供しています。
トレンドや見た目の美しさを追い求めるのではなく、お客様に「繰り返し利用したい」と思われるような、永く愛される店舗づくりが可能なことが、わたしたちLovationの強みです。
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漠然としたイメージや、言葉にならない潜在的なビジョンまでを丁寧に引き出し、それを具体的なデザインとして具現化。物件の物理的な条件を考慮しながら、どのような内装が効果的かを戦略的に分析し、デザインを構築していきます。
こうしたプロセスを経ることで、あなたの想いをしっかりと反映した一貫性のある内装デザインを実現できるのです。
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7-2. 透明性の高い料金設定で、費用の不安を軽減
Lovationは透明性の高い料金設定を採用し、デザイン設計費用を物件の広さに応じて一律で算出しています。
工事費用の増減によってデザイン設計費用が変わることがなく、事前に正確な費用を把握したうえで進められるため、安心してご利用いただけることが魅力です。
一般的なデザイン設計会社では、工事金額の10~20%がデザイン設計費用として計算される仕組みが多く、施工費用が増えるとデザイン設計費用も上がります。
そのため、最終的な金額が工事完了まで不明確なケースも少なくありません。
一方、Lovationは明確な料金設定を採用しているため、デザイン設計費用が変動する心配がありません。
また、設計した図面をもとに複数の施工会社に相見積もりを取り、費用を比較しながら価格交渉も代行。忙しいあなたの手間を省きつつ、最適なコストで施工会社を選べるようサポートします。
「予算内で理想を実現したい」という場合も、わたしたちにお任せください。
予算と希望のバランスを考慮し、限られた予算でデザイン効果を最大限引き出す方法をご提案いたします。そのため、予算内でも他店と差別化できる魅力的な美容室づくりを実現できるはずです。
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7-3. 物件探しから開業後の運営相談までトータルサポート
美容室を初めて開業する際、
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Lovationでは、あなたの理想とする美容室づくりをトータルでサポートいたします。
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8. まとめ
この記事では、美容室の内装について詳しく解説しました。
この記事の要点を以下にまとめます。
◆内装デザインのタイプ別特徴
【内装デザイン タイプ別の特徴一覧】
内装デザイン | 特徴 |
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ナチュラル系 | ・木材や石材、植物などの自然素材を多く使用・自然光や温かみのある照明・ベージュや白などのアースカラーが基調・明るく清潔感があり、落ち着いた癒しの雰囲気 |
シンプル系 | ・装飾を控えめにし、機能性を重視・白や黒、グレーなどのモノトーンカラーを使用・清潔感があり、すっきりとした洗練された印象 |
ラグジュアリー系 | ・上質な木材や大理石、革張りの椅子など、高級素材を使用・プライベートな個室やゆったりした施術スペースを確保・ゴールドや重厚感のある色調を用いたデザイン・高級ホテルのような非日常的な空間 |
アンティーク系 | ・ヴィンテージ感のある家具や装飾を使用・木材の風合いや金属の質感を活用・くすみのある色や、深みのある色を使用・上品で温かみのある、落ち着いた雰囲気 |
◆美容室の内装デザインの決め方
以下2つのポイントを押さえて内装デザインを考えることで、失敗するリスクを下げられます。
内装デザインで失敗しないためのポイント
・【最重要】内装デザインはコンセプトとターゲットから決める
・空間全体に統一感を持たせる
特に、コンセプトとターゲットは、内装デザインの方向性を決める軸となります。明確にしてから内装を考えることで方向性のぶれを防ぎ、一貫性のある内装デザインになるでしょう。
◆内装の依頼先
内装工事を業者に依頼する際の選択肢と、それぞれの特徴は以下のとおりです。
【美容室の内装依頼先】
◆美容室の内装業者選びで失敗しないためのポイント
依頼する業者を選ぶ際は、以下5つのポイントを押さえて失敗を防ぎましょう。
美容室の内装業者選びで失敗しないためのポイント
・美容室の内装デザインや施工に強みがある業者を選ぶ
・複数の業者に見積もりを依頼する
・見積もり内容に不明確な部分がないか確認する
・コミュニケーションが円滑で、真摯に対応してくれる業者かを見極める
・プロならではの意見や提案をしてくれる業者を選ぶ
美容室の内装は、デザインの特徴を理解し、コンセプトやターゲットをもとに一貫性のある空間づくりを行うことが大切です。
この記事を参考に内装デザインのイメージを固め、あなたの希望に合う内装業者を探しましょう。
信頼できるパートナーが見つかり、ターゲットに永く愛される理想の美容室づくりができることを祈っています。