カフェの内装デザイン|5の要点
カフェの内装デザインは、「イメージさえ決まればOK」と考えている新米オーナーも少なくありません。
デザインというと、どうしても視覚的な要素に目が行きがちですが、デザインの土台には視覚以外の要素も含まれています。カフェにとって大切なのは、見た目のおしゃれさではなく、繁盛するお店であること。見た目の良さはあくまでも繁盛させるための手段であり、繁盛させるために必要な全ての要素を内装デザインに落とし込む必要があります。
この記事では、カフェの内装デザインに必要な要素を以下のようにまとめて説明します。
- コンセプトづくり
- カフェの集客
- 内装のテーマ
- レイアウト
- ファサード(外観)のデザイン
記事を読むことで、「カフェの内装をデザインする」という全体像が見えてくるでしょう。
目次
コンセプトづくりについて
「お店の特徴を言語化したもの」がコンセプトです。
コンセプトは、明瞭で独自性があり、カフェに限らずどのお店にとっても不可欠な要素です。コンセプトは、お客さんに提供する価値やお店のデザインを決めるための軸の役割を果たしています。カフェを出店すると決めたら、まずはコンセプトの設計に取りかかりましょう。
カフェのコンセプトを設計するには?
まず初めにポイントを押さえます。カフェのコンセプトは、
- コア・コンセプト
- 空間コンセプト
の2つに分けて設計します。
それでは詳しく解説します。
コア・コンセプト
コア・コンセプトとは、店舗運営の軸となるコンセプトのことです。
少し想像してみてください。
池に石を投げると、石が水の中に入った場所を中心に波紋が広がります。この中心点が「コア・コンセプト」です。
今後、あなたは新規のお客さんを集客する事やリピーターを増やすために知識を増やし努力する事だと思います。
それらの中心となるコア・コンセプトが言語化できていないと、中心点を後から何回でも変えることになります。
例え、お金をかけてつくった見栄えのいい建物でも、安定しない基礎がなければ地震に耐えられず崩壊してしまいます。コアコンセプトは、建物の基礎と同じぐらい重要なものです。
空間コンセプト
空間コンセプトとは、集客するお客さんや提供するサービス、カフェのテーマなど、コア・コンセプトをより具体化・細分化したものです。
注意することは、コアコンセプトと一貫性があることです。
コンセプトの作成手順ですが、コア・コンセプトを最初に作り、それを軸に空間コンセプトを作成していきます。なお、空間コンセプトは5W2Hのフレームワークを使って考えるのが基本です。
5W2Hのフレームワークは、以下のとおり。
- Who(理想のお客さん)
- What(提供するモノ・サービス)
- Why(お客さんがカフェを利用する理由)
- Where(カフェの所在地)
- How(ニーズの応え方)
- How much(料金)
1-2カフェのコンセプト例
①コアコンセプト:オフィスの様なカフェ
②サブコンセプト
- Who:職場まで戻りたくない。でもカフェでは集中できないビジネスマン。
- What:仕事に取り組みやすい設備や環境+おかわりできるコーヒー
- Why:会社まで黙らなくても集中して仕事に取り組めるから
- Where:○○駅から歩いて3〜5分以内のエリア
- How:充電設備、店内での電話OK、おかわりコーヒーの割引サービス
- How much:利用時間料+食事代
具体的なコンセプトの作り方については、こちらの記事を参考にしてください。
カフェの集客方法
カフェの集客方法は、「誰にアプローチするか」で異なります。
お客さんは、
- 新規顧客=新規獲得コスト(CPA)の低下を目指す
- リピーター=生涯累計貢献(LTV)の向上を目指す
の2種類に大きく分けられます。
例えば、お店の所在地やマスターの人柄といった情報は、新規顧客に対して訴求要素になりますが、リピーターに説明する必要はありませんよね?
このように、両者に対するアプローチ方法は異なり、それぞれに適した方法を用いる必要があります。
新規顧客を集客する
新規顧客に対しては、カフェの存在を知ってもらうことが最優先です。そこで、新規顧客にアプローチする方法として、以下のことが考えられます。
- 体験型イベントの開催
- 一般的な媒体(食べログ、ヒトサラなど)への登録
- 広告やチラシ配り
- 呼び込み(通行人に声をかけるなど)の実施
- SNSを使ったお店やメニューの紹介
- 看板の設置
- 初回限定クーポンの発行
など。
新規顧客の集客では、できるだけ幅広く宣伝をすることがポイントになるでしょう。1つ注意するのは、訴求内容は理想のお客さんに向けたメッセージに絞るということ。
できるだけ多くの人に来てもらいたい気持ちは分かりますが、不特定多数を前提としたアピールは訴求力が弱まることから、うまくいかないことが多いです。
新規顧客の獲得プロセスでは、コンセプトにそった人を前提に広告活動を展開することと、効果が得られなかった場合の振り返りと改善が大切です。
リピーターを増やす
リピーターには、信頼関係を築くことと、価値を提供してお店に足を運んでもらう回数を増やすような集客活動を展開することがポイントでしょう。
具体的には、
- SNSを使ったコミュニケーションづくり
- ポイントカードの発行
- バースデーカードの発行
- 試食会などの実施
- リピーター専用コミュニティサイトの開設
などが挙げられます。
コネがほとんどない状態でカフェを出店する場合に必要なのは、新規のお客さんです。
新規顧客をできるだけ多く集め、その中からリピーターを育てるというサイクルを意識して、集客活動を行いましょう。
Point
開業した後をイメージして、「売ること」と「売り続けること」を考えましょう。
カフェを開くということは、開業準備と同時に、開業した後をイメージした「売ること」と「売り続けること」も踏まえた店づくりが求められます。開業後のイメージに不安がある人は、私たちのメルマガを読んで参考にしてください。
また、定期的に「訪れたいと思われるお店を開く」個別相談会を開催しています。詳細は、弊社発行のメルマガ(無料)にてお伝えしています。興味があったら登録してくださいね。
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カフェの内装
カフェの内装で私たちが心がけているのは、理想のお客さんや提供価値を具体化して、お客さんにとって価値のあるお店にすることです。そのために、カフェの内装に「そのお店のらしさ」を表現し、提供価値の世界観を作り込むことに重点を置いています。
カフェの内装は、ざっくりとした方向性を決めてから細かい部分について考えます。「その価値をお客さんに提供するのにベストな内装は?」と考えた時に、マッチするカフェの雰囲気が進むべき方向性になるでしょう。
何も思い浮かばないというあなたのために、一般的なカフェのテーマをご紹介しますね。参考にしてみてください。
白を基調とした内装
白には清潔感や軽量感があり、多くの人に好まれている色という特徴があります。シンプルまたはおしゃれなカフェを目指すなら、白を基調とした内装が候補に入るはずです。
しかし、白で統一した内装は、一歩間違えると、安っぽい印象を与えるおそれがあります。白でも凹凸のある素材や、木目の家具、タイル調の壁紙を取り入れるなど全体のバランスを考えることが大切です。
和風カフェの内装
和風のカフェは、日本の文化を反映したデザインです。
和の文化に慣れている日本人にとって、和風カフェは家にいるような落ち着きを感じられる場所。また、海外の人は、その和風らしさに魅力を感じるかもしれません。
和風カフェの内装を成功させるには、使用する素材にこだわることがポイントです。
例えば、
- 天然素材(木や植物)を使って“和”を表現する
- 畳やローテーブルなどを取り入れて日本茶屋っぽい雰囲気を演出する
- ダークブラウンなど落ち着いた色と鮮やかな日本の伝統色を使ったアイテムを組み合わせて、色のコントラストをデザインのメインに据える
といったアイデアが考えられます。
注意!
外国人をターゲットにする和風カフェは、わかりやすい「和」を演出すべきです。しかし、近隣に住んでいる人をターゲットにするのであれば、現代の需要にあった和を表現すべきです。
レトロな喫茶店の内装
一昔前流行っていた喫茶店。“レトロな喫茶店”は“昭和レトロな喫茶店”を意味することが多く、温かく落ち着いた雰囲気が魅力です。
昭和レトロな喫茶店の特徴を挙げてみましょう。
- ブラウン系の家具やカウンター
- 布素材(ベルベットなど)を使った椅子
- アンティーク系の木目や色
- オープンカウンターのレイアウト
など。
昭和レトロな喫茶店の内装デザインには、オーナーのこだわりや好みが色濃く反映されています。ステレオタイプにこだわらず、お客さんをノスタルジックでやさしく包み込むようなイメージを自分らしく演出することがポイントです。
カフェのレイアウト
出店するカフェのレイアウトをデザインする際は、「面積に対して、どのようなレイアウトが考えられるか」について考えるとよいでしょう。
そのうえで、
- お客さんの属性(「おひとりさま」「家族連れ」など)に合ったテーブルの大きさやカウンターの面積
- 座席とキッチンとのバランス
- お客さんとスタッフの導線
を考慮してデザインすることが大切です。
また、「お客さん目線でどのように店内が見えるのか」という点を確認することも忘れないようにしましょう。
下図は、縦長の物件の場合の基本的なカフェのレイアウトです。レイアウトを作成する際の参考にしてください。
おしゃれな外観を作るには?
カフェの外観は、内装と切り離して考えることはできません。お客さんは、外観を見て店内をイメージし、入るかどうかを決めるからです。
お店の正面から見た外観のことをファサードといいますが、どのようにデザインするのがベストなのでしょうか。
ファサードは、お店らしさやオーナーが描く世界観を表現することがポイントです。ややオーバーな言い方かもしれませんが、オーナーの価値観や思いを表現した内装と連結させるためです。
例えば、「焼き肉の○○(店名)」を強調した看板や食品サンプルを設置するなど、お客さんの頭の中で「お肉食べるなら〇〇だよね」と思われるように外観をデザインします。外観をデザインする際は、「お客さんの頭の中の焼肉カテゴリーの中で、お店が占める割合を増やすにはどうすればいいのか?」を考慮し、思い描くイメージをお客さんの頭の中に入れ込む努力が必要です。
外観については別記事で書きましたので、詳しくはそちらを参考にしてください。
まとめ
カフェの内装デザインを考える際に必要なポイントをご紹介しました。
ご紹介したポイントは、以下の5つです。
- コンセプトづくり
- カフェの集客
- 内装のテーマ
- レイアウト
- ファサード(外観)のデザイン
これらのうちどれか一つ欠けても、集客できるカフェの内装デザインは成り立ちません。
一つひとつていねいに考慮し、自分なりの言葉やイメージでまとめると良いでしょう。
そのうえで、デザイン設計会社に相談すると、よりイメージに近い内装デザインに仕上がりやすくなります。
内装デザインは、そのカフェが繁盛するかどうかに直接影響を与える重要なプロセス。納得の行くデザインに仕上げて、これから出店するカフェにとってベストな内装づくりを目指しましょう。
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