小さいお店を開きたいあなたへ。成功させるには?
アフターコロナで社会が少しずつ元に戻ろうとする中、「小さいお店を開きたい」という夢を現実にしたいと考えている人も、多いのではないでしょうか。
たとえ小さくても、自分のお店を持つことを考えただけで、ワクワクしますよね。
お店を開くのに特別な資格はありません。
自分のお店を持とうと脱サラした人や一念発起した主婦など、オーナーのバックグラウンドはさまざまです。
それまでお店を開いたことのない人にとって気になるのは、「素人でも成功できるのか」ということではないでしょうか。
そこで本記事では、小さいお店を開きたいという夢を実現させたい人向けに、抱えがちな疑問についてお答えします。
具体的には
- どうやったら小さなお店を成功させられる?
- 狭いことはマイナスなことなの?
- 小さなお店の魅力をアピールするには?
です。
小さいお店を開きたい方の魅力をアピールするためには、お店のブランドを構築する必要があります。本記事ではさらに、ブランドを構築するためにどうしたらいいのか、ステップ形式で説明します。
目次
小さいお店を開きたいといってもビジネス
お店を開く時に忘れてしまいがちなのは、「お店を開く=ビジネスをする」という視点です。
「小さいお店を開きたい」と、ワクワクしている時に思い描くのは、自分好みのお店にお客さんがあふれている光景ではないでしょうか。
そうした光景を実現させるのに必要なのは、お店のおしゃれさではありません。「ビジネスをしているお店」という土台です。小さいお店であっても、直近の目標は「安定した利益を上げること」なのです。
長く愛されるお店を持ちたいと誰でも思いますが、長く続けるためには、利益を上げ続ける必要がありますよね。
「売れるお店を作る」という視点を常に持つようにしましょう。
そうすると、おしゃれな内装を設計する際「果たしてお客さんを満足させられるデザインだろうか」というふうに、おしゃれさと利益を切り離して考えることがなくなります。
狭いスペースでも売上を上げられるよう空間をデザインすることが、繁盛するお店につながります。限られた空間の中で、”らしさ”を演出することで、それに共感を持ったお客さんが集まるでしょう。
狭いことはマイナスに働くのか?
「狭いお店は、大きなお店ほど稼げない」というイメージを持たれているかもしれません。
確かに小さなお店は、大きなお店よりも客席を設けることができませんし、提供できるサービスの範囲も限られてしまいます。
けれどもこれは、狭いことによるデメリットです。
デメリットにフォーカスしてしまうと、「狭い=稼げない」という結論に達してしまうかもしれませんが、狭いお店にもメリットはありますし、デメリットをメリットに転換することも可能です。
例えば、めぼしい物件が5坪にも満たないものだった場合。普通に考えれば、飲食店に不向きな広さかもしれません。
そのスペースに、無理にテーブルと椅子を入れようとすると、
- 圧迫感を感じる
- 隣の人と距離が近すぎて不快
- 出入りしにくい
というふうに、デメリットばかりが強調されてしまいます。
こうした狭さを逆手に取り、テイクアウトを目的としているお客さんにターゲットを絞ったらどうでしょうか。
カウンターのみ設置すればよいのでスペース的にちょうどいいですし、回転率の高いお店になるでしょう。
イートインにこだわるなら、カウンター席に絞り、短時間で済ませられる料理を提供して回転率を上げたサービスが考えられます。
デメリットをメリットに置き換えることでプラスの要素が増えます。
これが、小さなお店が稼ぐ原動力になります。
小さなお店ほどパーソナルブランドが必要
パーソナルブランドとは簡単にいうと、「自分ブランド」のこと。
つまり、小さなお店のパーソナルブランディングとは、「オーナー自身をブランド化する」という意味を持ちます。
なぜ、小さなお店ほどパーソナルブランドが必要かというと、お客さんを惹きつける直接の要素だからです。
パーソナルブランドは、オーナーの人柄がベースです。
例えば、
- オーナーから直接接客を受けられる
- オーナーと近い距離で話ができる
というのは、オーナーのファンだったら通いたくなる理由になりますよね。
店舗の雰囲気やデザインも、パーソナルブランドに含まれます。
内装や提供するサービスや商品には、オーダーのこだわりや伝えたいメッセージが表現されています。
「他のお店では売っていないもの」を、小さなお店で発見したことはないでしょうか。
これも、オーナーが自ら見つけて提供しているもので、パーソナルブランドを構成する要素の1つといえるでしょう。
パーソナルブランディングが成功すると、それに共鳴した人がお店のリピーターになってくれます。これが、お店を長続きさせる秘けつです。
パーソナルブランディングの大切さについて、お分かりいただけたでしょうか。
次の章では、パーソナルブランドの構築方法について解説します。
個人ブランドの戦略についてはこちらの記事も参考にしてください。
パーソナルブランディングを構築する3つのステップ
ブランド構築というと難しく聞こえるかもしれませんね。
確かにブランディングは、相手にお店のイメージを定着させる必要があるため、時間がかかります。けれども、手順を覚えてしまえばそれほど難しいことではありません。
ブランド構築は、以下の3ステップで完結します。
- 顧客について知る
- 戦略を具体化する
- ブランドデザインを構築する
顧客について知る
ブランド構築で最初にすることは、「理想とするお客さんは誰なのか? 」「どんな人に来てもらいたいか? 」について、詳しく考えることです。
理想のお客さんを決めることで、お店の方向性が決まります。
例えば、「会社帰りに友人2、3人と利用する20代の女性」が、理想のお客さんだったとします。
そうすると、
- 客席スペースはグループでくつろげるようテーブル席をメインにしたレイアウトにしよう
- 店内は20代の女性が好きそうな、白を貴重としたおしゃれなデザインにしよう
- 夕方からの利用で割引サービスを実施しよう
というふうに、店内のレイアウトや提供するサービスについて、お客さんの立場に立って考えられるようになります。
理想のお客さんは、できるだけ具体的にイメージしましょう。
ビジネスでは、お客さん像のことを「ペルソナ」と呼びますが、ペルソナの作成方法にマニュアルはありません。自分の好きな方法で、理想のお客さんをイメージ化すると良いでしょう。
ただし、現実離れしたキャラにならないよう注意します。
それを避けるには、できるだけリアルの人を参考にしましょう。一番簡単なのは、周囲の人をモデルにすることです。
- 性別
- 年齢
- 職業
- 年収
- 住んでいる場所
といった基本情報から、
- 休日の過ごし方
- 趣味
- 性格
といったし好や価値観に関することまで、細かく描写します。
戦略を具体化する
理想とするお客さんを明らかにしたら、次は販売戦略を考えます。
お店を利用してもらうには、お客さんが喜ぶような商品やサービスを提供する必要があります。加えて、「商品を探しやすい」「サービスを受けやすい」という快適さも大きく影響するでしょう。
サービスや商品をどのように提供するのか、その手段が戦略にあたります。
ただし、他のお店と同じことをしてしまえば、「数ある中のお店の一つ」となり、ブランディングとしてはうまくいきません。そこで、戦略を考える際に留意したいのがライバルとの差別化です。
どのように差別化するかということですが、「バリュープロポジション」という概念が役に立ちます。
バリュープロポジションとは
①顧客が求めている価値
②ライバルが提供している価値
③自分のお店が提供できる価値
を考えた時に、①と③が重なった部分を指します。
「つまり、ライバルがまだ提供していない顧客が求めている価値」を提供することが、差別化ということです。
戦略を考える際は
- 来てほしいお客さんが求めていること
- 自分が提供できること
をすり合わせ、さらにライバルがすでに提供していることを調べて差別化できるポイントを見つけると、うまくいきやすいでしょう。
ブランドデザインを構築する
このフェーズでは、2で打ち出した戦略にそって、ブランドデザインを構築します。
ここでいう「ブランドデザイン」とは、パーソナルブランドをもとにしたデザインのことです。
お店でいうなら
- お店の名前
- お店のロゴ
- お店のテーマ
- テーマカラー
- 店内のレイアウト
などが、ブランドデザインに含まれます。
ブランドデザインには専門的な作業も含まれるため、デザイン設計会社など専門家に相談しながら進めていくことになるでしょう。
ブランドデザインについてある程度アイデアをまとめた時が、デザイン設計会社に相談するタイミングです。
まとめ
小さいお店を開きたいと思う時に抱えがちな疑問と、ブランド構築の方法について説明しました。
小さなお店といっても、売上を上げなければなりません。ここを軸にして、理想のお客さんが満足するようなお店づくりを目指すことが大切です。
本記事では、お客さんに来てもらうにはパーソナルブランディングが不可欠であるということも、説明しました。
ブランド構築は、以下の3ステップで進めます。
- 顧客について知る
- 戦略を具体化する
- ブランドデザインを構築する
2までしっかりできていれば、3で専門家と同じイメージや想いを共有しやすいでしょう。
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