知識ゼロから始めるカフェ開業
カフェを開業するめどが立つと、「カフェのオーナーになる」ということが現実味を帯びてきます。そうすると、次にするのは開業に向けて行動することですが、実際にカフェを開くには手順があります。
- 「それは分かっていても、具体的にどうやって始めたらいいのかが分からない」
- 「内装デザインは、専門家にいつ相談したらいいのだろうか」
というふうに、悩む人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、カフェの出店を予定している新米オーナーさん向けに、カフェを開くにはどうしたらいいのか、最初から分かりやすく説明します。
目次
どのようなお店にするかアイデアをまとめる
カフェを開くと決めたら、カフェについてアイデアをまとめましょう。
仕事でも家造りでもそうですが、何事も事前に計画を立てることが大切です。
カフェを開く際に必要なのは、事業計画。
- どのようなお店を開くのか
- 何を提供するのか
- 資金はどこから捻出するのか
などをまとめたものが事業計画です。
事業計画にそって情報をまとめることで、「他店との差別化やお客さんにお店を利用してもらうにはどうしたらいいのか」といったことを考えられるようになります。
カフェ開業に向けた計画
具体的には、以下のとおりです。
- お店のコンセプト:何を売りにしたお店?
- ターゲット:誰に来てもらいたい?
- テーマ:内装のテーマは(ナチュラル風、古民家風など)?
- 営業形態:ワンオペ? それともスタッフを雇う?
- メニュー:提供するドリンクの種類は? 食事の提供もする?
- 開業資金:開業資金としていくら準備できる? 借金をする場合は、返済スケジュールはどうする?
- 集客:どのようにお店を宣伝する?
ポイントは、お店のコンセプトとターゲットを決めること。そして、その他の項目を考えていくことです。「誰のためのどのようなカフェなのか」が明確になると、それを軸にしてお店の方向性を決めやすくなるでしょう。
まだコンセプトが決まっていなければ、こちらの記事が参考になります。
例えば、ワンオペカフェの強みは、オーナーが持つこだわりと独自性です。
その独自性を強みにして、お客さんにどのようなサービスをどのようにして提供できるかを考えましょう。
コンセプトと理想のお客さんについては、できる限り明確にする必要があります。
しかし、全ての項目において最初から完璧に計画を練り上げる必要はありません。例えば、メニューの種類は最初に数種類用意し、オープンして様子を見ながら少しずつ増やしていった方が、無駄なコストを使わずに無理なく運営していけるでしょう。
カフェを開くまでの流れを把握する
アイデアをまとめてからカフェを開くまでの手順を大きく分けると、以下の5ステップになります。
- 開業資金を調達する
- 必要な資格や届出を取得・申請する
- 物件を取得する
- 実際にお店を作る
- お店の販促活動をする
開業資金を調達する
カフェを開業するのに必要なお金のことを、開業資金といいます。
すでに開業資金が手元にあるというのなら別です。しかし、多くの場合は資金を調達する必要があるでしょう。
開業資金は、カフェをオープンする場所や物件の大きさ、工事内容などによって異なります。あくまでも目安ですが、10坪程度の広さのカフェに必要な開業資金は、約1,000万円です。
ここには、
- 物件取得費
- 内装工事費
- 外装工事費
- 設備費
- 備品購入費
- 運転資金(6~12カ月)
- 宣伝費
などが含まれています。従業員を雇うなら、ここに人件費が加わるでしょう。
カフェは一般的に客単価が低く、回転率を上げなければ収益に結びつきにくいといわれています。オープン直後から繁盛するというのは考えにくいため、運転資金は多めに用意することが賢明です。
開業資金の調達には
- 自分の貯金から捻出する
- 身内から出資してもらう
- 金融機関から融資を受ける
などがあるでしょう。
金融機関から融資を受ける場合は、無理のない返済プランを立てることが必須といえます。
必要な資格や届出を取得・申請する
カフェを開業するのに必要な資格は「食品衛生責任者」です。
また、「建物の収容人数(従業員を含む)が30人以上」という場合は、「防火管理者」の資格もあわせて取得しましょう。
必須ではないものの、場合によっては取得が求められる資格もあります。例えば「酒類販売業免許」は、店内でアルコールを提供する限りにおいては、取得しなくてもよい資格ですが、テイクアウトの場合は必須です。
カフェを開業するには、以下の届出が必要です。
- 「飲食店営業許可申請」
- 「防火管理者選任届」
- 「開業(廃業)等届出書」
その他にも、カフェの形態や提供するメニューによっては、手続きが必要になることもあります。事前に確認するようにしましょう。
物件を取得する
テナントを借りてカフェを開く場合は、物件を探し借りる必要があります。カフェの物件には、スケルトン物件または居抜き物件の2種類あります。どちらが良いかは、予算や立地条件などによって異なります。来てほしいお客さんが足を運びやすく、かつお店のコンセプトを具現化できる条件がそろっているところを選ぶと失敗しにくいでしょう。物件を取得する際は、敷金・礼金や保証料などがかかります。
実際にお店を作る
物件が決まったら、次は改装工事に入ります。
内装や外装の工事は業者に任せ、その一方でオーナーが直接することは、
- 内装の備品を準備する
- メニューを作成する
ことです。
カフェに必要な備品には、冷蔵庫などキッチンに設置するものから、テーブルや椅子、食器などお客さんが直接触れるものまであります。店舗内に置くものは、全体的にまとまりが出るように選ぶことが大切です。お店のコンセプトや営業スタイルにもよります。しかし、Wi-Fiなどお客さんにとって利便性のあるものも、用意するとよいでしょう。
提供する商品やサービス
大きなカフェは、将来的にメニューを増やすことを視野に入れたメニュー開発が向いています。
逆に小さなカフェでは、提供できるメニューの種類は限られます。
なぜなら、厨房設備の限界があるからです。どんなに種類を増やしても、大きなカフェの種類の豊富さには太刀打ちできないかもしれません。
そこで、数を増やすのではなく「これ」というメニューを決めます。それにマッチする利益率の高いメニューを加えます。この様に、1つのメニューに絞って考えることがポイントです。(例:特別にブレンドしたコーヒーと焼き菓子の組み合わせなど)
また、メニューには「カフェなら必ずあるだろう」という、定番メニューも用意しておきましょう。
大きなカフェにしても、小さなカフェにしても、内装の備品やメニューは、お店のコンセプトと「お客さんはどう思うか」という視点を持って決めることがポイントです。
他店とかぶっていないかどうかということも、忘れずに確認しましょう。
お店の販促活動をする
内装工事が進み、カフェをオープンするめどが立った頃に本格化させたいことは、販促活動です。
どんなにすてきなカフェだったとしても、その存在を知ってもらわなければ、お客さんに来てもらえません。
販促活動は、オンラインとリアルの両方で展開可能です。オンラインなら、お店のホームページやSNSアカウントの作成が挙げられます。ただし、周知されるまでに時間がかかります。本格的に販促活動する前にアカウントを作成するなど準備しておくとよいでしょう。
リアルでは、知り合いに声をかけたり、チラシを配ったりするなどして、来てもらえそうな人に知らせることが大切です。
タイミングよくデザイン設計会社に依頼する
実際にお店を作る際に欠かせない存在が、工事を施工してくれる会社の存在です。
デザインと施工の両方を同じ会社に依頼する場合のタイミングはいつなのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
よくいわれているのが、物件を取得した時です。それも悪くはないのですが、カフェの開業を決めた時点で相談するのがベストでしょう。早めに相談することで、相談先のデザイン設計会社とお店のイメージやゴール、来てほしいお客さんといったカフェづくりに欠かせない情報を共有できます。
物件を決めた後はスピードが求められます。
そうなると、重要な戦略を考える時間や労力に時間を割けないまま出店してしまうおそれがあります。デザイン設計会社に、こちらのこだわりや出店する思い、ターゲットなどを伝え理解してもらうことは、カフェを開業する点において非常に重要で、ある程度時間をかける必要があります。その点においても早めに相談することをおすすめします。
まとめ
カフェを開くにはどうしたらいいのかについて、解説しました。
開業までスムーズにたどりつくには、手順を間違えずに進めることがポイントです。
本記事では、以下の手順をご紹介しました。
- どのようなお店にするかアイデアをまとめる
- カフェを開くまでの流れを把握する
- タイミングよくデザイン設計会社に依頼する
中でも一番大切なのは、お店のアイデアをまとめるプロセスです。
お店のコンセプトやお客さんは、お店の方向性やメニュー、内装などお店全体の在り方に直接影響します。時間をかけてていねいにアイデアをまとめましょう。
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