小さなカフェの内装をおしゃれにするコツ!
小さなお店において最も悩まされるのは、広さに適した適切なデザインの選択です。
本記事では、ワンオペで経営可能な広さを定義し、デザインのポイントや、客席とキッチンの配置のコツ、情報収集の方法、デザイン業者に依頼するタイミングについて解説します。
目次
1人で切り盛りするのにちょうどよい広さは?
小さなカフェというと、通常5~15坪程度の広さのカフェのことを指します。
ただしこれは「小さなカフェ」と一括りにするには、振り幅の広い解釈です。1坪はだいたい畳2枚分の広さ(約3.3㎡)です。その為、5坪と15坪では広さが大きく異なります。
小さなカフェの内装の目安として、10坪がよく挙げられます。
10坪の場合、2人掛けのテーブルと椅子を、8セット置いてちょうどよい広さです。この場合座席数は16席設置できる計算です。しかし、調理や接客のことを考えると、1人で切り盛りするのには多すぎるでしょう。(飲食業界では、「10席に対してスタッフ1人」を目安にする傾向にあるようです)
そう考えると、ワンオペでできる小さなカフェとは「10坪以下の広さのカフェ」ということになります。
ただし、5坪程度の広さですと、テーブルと椅子を置くと手狭になりがちです。テイクアウトサービスのみの店舗なら問題ありません。しかし、イートインできるスペースを確保したい場合は、9坪程度を目安としましょう。
このように、ワンオペでちょうどよい広さの小さなカフェの広さがはっきりすると、間取りも検討しやすくなるのではないでしょうか。
カフェの間取りと内装の関連性
カフェで最低限必要な店内の主なスペースは
- 客席
- キッチン
- 収納
- トイレ
- 通路
の5つです。
小さなカフェの場合余分なスペースを作ることが難しいです。その為、上記のスペースで店内の間取りを決めることになるでしょう。
例えば、9坪(約29㎡)の間取りは以下が目安です。
- 客席:12㎡程度
- キッチン:13㎡程度
- トイレ:1.2㎡程度
- その他(通路・収納など):3.5㎡程度
こうして間取りを決めると、各スペースに何をどう配置するかについても、イメージしやすくなります。
坪数による内装デザインの違いは?
小さなカフェを経営している方にとって、おしゃれで魅力的な内装はお客様を引き付ける重要な要素です。しかし、店舗の広さや坪数によって、どのように内装をデザインするかに違いが生じます。
では、坪数による内装デザインの違いは具体的にどのようなものでしょうか?
まず、小さなカフェの場合、狭い空間を最大限に活用することが求められます。坪数が限られている場合は、無駄なスペースを省き、効率的に配置することが重要です。例えば、コンパクトなテーブルや椅子を選び、壁面や天井に棚を設置して収納スペースを確保することが挙げられます。
また、家具や装飾品の色やデザインも、空間を広く見せる工夫が必要です。明るい色やシンプルなデザインの家具を選ぶことで、より広々とした印象を与えることができます。
一方、広い坪数を持つカフェでは、内装デザインの自由度が高くなります。
大きな空間を有効活用するためには、レイアウトや配置に工夫を凝らすことが重要です。例えば、異なるゾーンを設けて、お客様がくつろげるスペースや作業スペース、食事スペースなどを分けることができます。また、広々とした空間を活かして、大きな窓や緑の植物を取り入れることで、開放感やリラックス感を演出することができます。
さらに、小さなカフェでも広いカフェでも共通して重要なのは、おしゃれで居心地の良い雰囲気を作ることです。素材や温かみのある照明を使用し、カフェらしいアクセントを取り入れることで、お客様に心地よい時間を提供することができます。
坪数による内装デザインの違いを考慮しながら、おしゃれで魅力的なカフェを作り上げるためには、空間の活用やレイアウト、家具や装飾品の選び方など、様々な要素を考える必要があります。しかし、どのような坪数のカフェでも、お客様に満足してもらえる素敵な空間を提供することができれば、成功への道が開けることでしょう。
おしゃれで居心地の良いカフェ内装のポイントは?
「おしゃれな内装の小さなカフェ」といってもイメージが湧かないですよね。なかなか「これ」というものを決めにくいという人も多いのではないでしょうか。
中には、確固としたおしゃれな内装のイメージを持っている人もいます。が、「これもおしゃれだな。あっちもいいな」というふうに、イメージがくるくる変わる場合がほとんどでしょう。
早い段階でデザインを決める必要はありません。しかし、デザインの前に決めるべきことがあります。
それは、おしゃれな内装デザインかどうかを判断する”軸”を決めることです。
軸がないということは、「基準がない」と言っているようなもの。
つまり、
- 「どれもおしゃれに見える」
- 「どれがいいのか決められない」
と、優柔不断になってしまうのです。
この軸には、カフェを利用してほしいお客さんが感じる「おしゃれなカフェ」が当てはまります。
お客さんから見て「おしゃれだな」と思ってもらえるようなデザインが、理想とする「おしゃれな内装のカフェ」なのです。
小さなカフェの魅力は、オーナーを身近に感じたり、オーナーのこだわりが垣間見える内装だったりします。
けれども、「お客さんに何を感じてほしいか」という視点が抜け落ちてしまった状態で内装をデザインしたとしても、おしゃれ感は誰にも伝わりません。
つまり、目当てとしているお客さんに振り向いてもらえない、独りよがりなカフェの内装になる可能性が高いのです。
「こんな人にカフェを利用してもらいたい」ということを明確にしましょう。
そして、「いいな」と思ったデザインを見つけたら、「お客さんなら喜んでくれるだろうか? 」を考えながら、参考にするかどうか判断することがポイントです。
小さい客席スペースをおしゃれにするには?
カフェ全体のデザインと同様に、客席スペースのデザインやレイアウトも、お客さん目線で考えることが大前提です。
ただし、おしゃれだと感じてほしいことに加えて、居心地の良さも考慮する必要があります。
同じ坪数でも、カフェを利用してほしいお客さんのイメージによって、客席の配置は異なります。
例えば、1人で立ち寄ってオーナーとの会話を楽しみたい人をお客さんと仮定します。その場合、カウンターの割合を増やし、テーブル数を減らしましょう。それが、お客さんの満足度と売上につながります。
逆に、理想のお客さんが相手を同伴してカフェを利用する機会が多い場合。それなら、2人掛けのテーブルを増やしたレイアウトにしましょう。
小さな狭いキッチンをおしゃれにするには?
キッチンのデザインを考える時、単体で「おしゃれなキッチン」を考えようとするかもしれません。
けれども、キッチンは、見た目よりも使い勝手が重要視されます。
そのため、おしゃれ感の前に、利便性や客席スペースとのバランスからデザインを考えることがポイントです。
1人で切り盛りする小さなカフェでは、キッチンはカウンターと接しているデザインになる場合がほとんどでしょう。店内全体を見渡せる他、対面接客できるというのがその理由です。
小さなカフェのキッチンスペースは、カウンターに面して設置します。もしくは、カウンターをぐるりと取り囲むレイアウトのどちらかになるでしょう。
お客さんの目につくスペースに棚やキッチンツール、メニューボードなどを使ったレイアウトは、キッチンのタイプを決めてから考えると、スムーズにいきますよ。
自分の足で「おしゃれなの事例」を見る
出店を予定しているカフェのデザインを決めるのは、「おしゃれなカフェを可能な限り見てから」がベストタイミングです。
ネットを使えば、小さなカフェの内装デザインに関する情報を簡単に得ることはできます。
けれども理想なのは、オンラインに加えて、自分の足でおしゃれなカフェに訪れることです。
実際のお店で感じる印象や視界に入る風景などはネットだけで情報を集められません。体感することが重要です。
おしゃれで小さなカフェの成功事例を実際に見る
実際にカフェに訪れてみると、画像だけでは得られない内装の雰囲気、店内の賑やかさ、香り、提供される飲み物や食べ物の味など五感で確認できます。加えてオーナーの接客や間取りも把握できるので、良いことづくめです。
後で振り返りやすいよう「おしゃれだな」と思った点を写真に収めたり、メモを取ったりすることも忘れないようにしましょう。
客席スペースやトイレなど、訪れた人が目にできる場所のデザインは、情報を収集しやすいですが、キッチンスペースは確認することが難しいですよね。
ネットや専門雑誌から情報を収集することも可能です。しかし、やはり自分の目で実際に確認することがベストです。
小さなお店の内装をどうやって見ればいいのか?
もし、知り合いがおしゃれなカフェを経営していたら、キッチン内のレイアウトを見せてもらいましょう。
もしくは、1日だけ間借りで行うカフェ運営や体験をするという選択もありです。
すでにカフェ体験を済ませたという場合でも、もう一度やってみましょう。新たな視点で、カフェの運営を見つめ直すことができるかもしれませんよ。
難易度は上がりますが、気に入ったカフェで働くという手もあります。時間に余裕があったら、短期間でいいので働いてみましょう。
キッチン内の様子を知るだけでなく、スタッフの導線についても確認できます。また、オーナーの経営のやり方を学べる可能性もあります。
このように、オンラインとリアルの両方から情報を収集しましょう。おしゃれな内装に多く触れる機会が増えます。その為、徐々に自分の中で目指す内装デザインがハッキリとしてくるでしょう。
小さなカフェの開業は専門家に相談する
集めた情報をもとに、内装デザインのアイデアをまとめます。アイデアがまとまったら、具体的なデザインを考えましょう。
最終的に内装は専門家に任せることになりますが、任せるタイミングは
- デザインから任せる
- 施工工事から任せる
のどちらかになるでしょう。
前者であればデザイン設計会社、後者であれば施工会社です。
会社種類や違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
参考:内装工事とは?費用や流れ、業者の選び方など基礎知識を解説!
もし、間取りから厨房機器の配置、ドアの種類や壁の色、ライトの配置など、ほぼ全て自分でデザインしたい場合は、施工会社に依頼しましょう。
そうでなく、「こういうふうなデザインがいいけれど、細かなことまでは決めていない」というのであれば、デザイン設計会社に依頼するのが無難です。
良心的なデザイン設計会社なら、専門的な視点と物件の間取、予算などを考慮して、できるだけ理想の内装に近いデザインを提案してくれるでしょう。
小さなカフェの内装デザインの要点
オーナー1人で切り盛りする小さなカフェの内装の決め方について、ご紹介しました。
ここでもう一度、内装デザインを考える際に必要なポイントをまとめます。
- 1人で切り盛りするのにちょうどよい広さを明確にする
- 明確にした広さをもとに間取りを作る
- カフェを利用してほしいお客さん像をイメージする
- 情報収集は、オンラインとリアルの両方で行う
1人でできるのは、大体ここまででしょう。
あとは、デザイン設計会社など専門家と相談しながら決めていくのが無難です。
内装デザインのアイデアをまとめ上げるまでの過程がしっかりできていると、専門家に要望を具体的に伝えられるようになります。し、施工工事までスムーズに進めることができるでしょう。
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